本日紹介するのはタイトルとカバーデザインにインパクトがある作品『スケベの青春』(著:畠たかし)です!
物語は、黙っていれば長身メガネイケメンなのに口を開けばすぐスケベな攻め・三田村と学園のアイドルでキラキラしている「人前で絶対脱がない」受け・早見の青春と恋愛を描いた作品です。
では早速、作品を紹介していきます〜!
畠たかし『スケベの青春』 作品紹介
作品名
スケベの青春
作者名
畠たかし
レーベル
マーブルコミックス
あらすじ
童貞ながら”スケベ”に一家言ある三田村は、
ひょんなことから、
同じクラスの友人・早見が
「人前で決して脱がない」ことに気づく。
容姿端麗で文武両道ーー
少女漫画に出てきそうな
学校のアイドル的存在である早見は、
なぜ脱がないのか…?
早見は一体何を隠しているのか……?
そして俺は、一体何をこんなに
興奮しているのか………?
混乱と欲望のまま手が動き、
三田村は早見のスケベな
合成写真(エロコラ)を作ってしまう。
が、早見本人にバレてしまい?!
畠たかし『スケベの青春』 作品の雰囲気
コミカル←|―|●|―|―|―|→シリアス
物語重視←|―|―|●|―|―|→作画重視
さわやか←|―|―|●|―|―|→えちえち
特殊設定←|―|―|―|●|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ
畠たかし『スケベの青春』 登場人物紹介
攻めキャラクター
三田村 泰介
#黒髪 #高身長 #細身 #メガネ #17歳 #高校生 #長男 #妹 #オープンスケベ #童貞 #実は頭が良い
「お前俺が気持ち悪くないのか?お前をネタに抜いてた人間だぞ」(20ページ)
出典:畠たかし『スケベの青春』(東京漫画社、2020年)
「結局…ッ! 俺は性欲にあらがえなかった…!!」(38ページ)
「…俺は変態はもうやめた 今はただの恋する男子だ」(57ページ)
「俺にはまだ お前の隣に並ぶ自信はない…」(70ページ)
「…何かわからんが 俺は今 早見の話を聞いて もの凄くほっとしている」(138ページ)
「弄ってたのか…? 自慰の時 後ろも弄ってたのか…!?」(160ページ)
「これはもはやスケベという可愛らしいものではなく 成人向けのどデロである」(185ページ)
受けキャラクター
早見 景
#黒髪 #中背 #細身 #顔がいい #17歳 #高校生 #バスケ部 #学園のアイドル #厳格な家庭 #ムッツリスケベ #素直 #天然
「今日お弁当家に忘れてきて 折角作ってもらったのに悪いことしちゃったな」(18ページ)
出典:畠たかし『スケベの青春』(東京漫画社、2020年)
「三田村ってさ 俺とセックスしたいとか思うの?」(27ページ)
「俺 三田村に好意はないって言われて 結構悔しかったんだよ…!」(35ページ)
「三田村と一緒に出かけたいなって…」(53ページ)
「すごいな あんなに堂々として ただ自分を 貫いている」(95ページ)
「…あれ、今日俺どんな下着穿いてきたっけ?」(114ページ)
「やっぱり…俺の乳首ってダメなのかなぁ…!?」(157ページ)
攻めと受けの比較
年齢:攻 = 受
身長:攻 > 受
体格:攻 = 受
階級:攻 < 受
立場:攻 = 受
畠たかし『スケベの青春』 受賞歴
このBLがやばい!
「このBLがやばい!2021年度版」 第18位
畠たかし『スケベの青春』 感想レビュー
今年(2020年)に
ジャケット/タイトル買いした作品で
強く記憶に残っている一冊です。
タイトルのセンスを前面に出したカバーデザイン。
「スケベ」って単語の可能性を感じました。
「すけべの青春」「好色家の青春」では出せない
“青春感”があるんですよ。
そして「スケベ “の” 青春」であって
「スケベ “な” 青春」ではないのです。
ド直球に見えて、実は良いタイトル。
文字のデザインもストレートで素晴らしい。
文字の全てが真っ白で
秀英初号明朝(たぶん)や
游築初号ゴシック(たぶん)など
硬派な印象を受けるフォントを
墨だまりや擦れなどの加工を一切せず使用。
三田村っぽくもあり
早見っぽくもあります。
飾らず堂々としているフォント
=三田村のオープンスケベさ
真っ白で厳格なフォント
=早見の家庭環境
めっちゃ二人じゃん……。
読み終わった後に
フォントがスケベに見えてきますよ。
もちろんカバーデザインだけじゃなく
中身も良いです。
どことなく漂う昭和感がツボでした。
スマホはあるんですが、
エロ本や雑なエロコラ、
教室と生徒のビジュアル、
30ページ「見たい」のルビの振り方など、
古き良き雰囲気が溢れています。
周囲のキャラたちも楽しくて好き。
なんといっても、お茶山くん。
まず「御茶山」じゃなくて
「お茶山」なのが良い。
そして55ページ、
初めて登場してきたときの安心感がすごい。
このビジュアルなので
「強力な当て馬や波乱の展開ではなさそう」
とホッとする(お茶山くんには失礼なんですが)。
三田村の妹。
「俺の内面の良い箇所を挙げてみろ」と聞かれて
「えっ…人を殺さないところ…?」と答えるセンス
(61ページ)。
三田村祖父母。
この祖父母にしてこの子ありな感じで、
「避妊具は!?」
→勝手に財布の中へコンドームを入れておく祖母と(62ページ)
遺影がエロ本片手に満面の笑みを浮かべる祖父(133ページ)。
スケベだなぁと思ったのは
108ページの
「こんな俺だけど よろしくお願いします」
「…こちらこそ」のコマ。
二人の表情がめちゃくちゃ良い。
170ページの早見の身体もスケベです。
青春の部分で言うと、
雰囲気から悩み事、
悩み方まで若者って感じなんですが、
凝縮されているのは173ページにある
「何が成功で 何が失敗なのかもわからず」
この言葉!
彼らの初セックスでの言葉なんですが、
今までのすべてに当てはまるというか、
ストンと心に入ってきました。
周囲も含め、終始たのしく青春感漂う作品で、
学園ものでオススメな一冊です。