【イタリア映画】ルカ・グァダニーノ『君の名前で僕を呼んで』レビュー

本日のオススメ
「君の名前で僕を呼んで」

あらすじ
1983年夏、北イタリアの避暑地。
17歳のエリオは、
アメリカからやって来た
24歳の大学院生オリヴァーと出会う。
彼は大学教授の父の助手で、
夏の間をエリオたち家族と暮らす。
はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に
反発を感じるエリオだったが、
まるで不思議な磁石があるように、
ふたりは引きつけあったり反発したり、
いつしか近づいていく。
やがて激しく恋に落ちるふたり。
しかし夏の終わりとともに
オリヴァーが去る日が近づき…。

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「君の名前で僕を呼んで」 監督・脚本・出演者情報

監督

ルカ・グァダニーノ
(『ミラノ、愛に生きる』『サスペリア(2018)』)

脚本

ジェームズ・アイヴォリー
(『モーリス』『ハワーズ・エンド』)

主演

ティモシー・シャラメ
アーミー・ハマー
マイケル・スタールバーグ
アミラ・カサール

配給

PHANTOM FILM

あらすじ

1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、アメリカからやって来た24歳の大学院生オリヴァーと出会う。彼は大学教授の父の助手で、夏の間をエリオたち家族と暮らす。はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に反発を感じるエリオだったが、まるで不思議な磁石があるように、ふたりは引きつけあったり反発したり、いつしか近づいていく。やがて激しく恋に落ちるふたり。しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づく…。

「君の名前で僕を呼んで」 作品の雰囲気

コミカル←|―|―|―|●|―|→シリアス
演技重視←|―|―|●|―|―|→見目重視
台詞重視←|―|―|●|―|―|→画図重視
けんぜん←|―|―|―|●|―|→えちえち
さわやか←|―|―|●|―|―|→じめじめ
現実主義←|●|―|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|―|―|―|●|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

「君の名前で僕を呼んで」 登場人物(キャラクター紹介)

作品に登場するメイン2人の情報です。

オリヴァー

#茶髪 #長身 #細身 #アメリカ出身 #24歳 #大学院生 #ユダヤ #計画的 #強引 #マイペース #自制心

「行くな 緊張してる リラックスしろ」
「いい曲だな もう一回弾けよ」
「優しいことを言ってくれるね うん 優しい」
「人に指示されたくない」
「君の話し方が好きだ いつも自信なさげだけど」
「昨夜のことで僕を恨む?」
「僕が どれだけ幸せか わかる?」

引用元:ルカ・グァダニーノ『君の名前で僕を呼んで』(PHANTOM FILM、刊行年)

エリオ

#黒髪 #中背 #細身 #タバコ #17歳 #高校生 #ユダヤ #気遣い #奥ゆかしい #ピアノ #ギター #作曲 #皮肉屋 #匂いフェチ

「彼の口癖は失礼だよね“後で”って 横柄だよ」
「きつい言い方をした 僕が嫌い かも」
「そんなことを聞く勇気はない」
「あなたにしか話せない」
「少し一緒にいて」
「到着した日に着てたシャツ 経つ日にもらえる?」
「僕は誰にも言うつもりはないし 迷惑はかけないよ」
「彼は僕より優れてる ずっと優れてるよ」

引用元:ルカ・グァダニーノ『君の名前で僕を呼んで』(PHANTOM FILM、刊行年)

キャラクター比較

年齢:オリヴァー > エリオ
身長:オリヴァー > エリオ
体格:オリヴァー > エリオ
階級:オリヴァー = エリオ
立場:オリヴァー ≦ エリオ

「君の名前で僕を呼んで」 起承転結ネタバレ

ここから先は文字通り「ネタバレ」を含みますので、ご了承ください。

起:エリオとオリヴァーの出会い

アメリカからやって来た
大学院生のオリヴァーは、
教授の家でひと夏を過ごすことに。

そこにはエリオという
17歳の少年がいた。

長身でハンサム、
異国情緒あるオリヴァーは
周囲の女性を虜にしてゆく。

オリヴァーの自信家なところと
自分勝手な振る舞いに
反発心を覚えるエリオだが、
教授である父と対等な会話ができる
知性や、自由な姿に興味を抱き始める。

承:互いにオンナ遊びへ走る

川へ行ったり、
ピアノを聞かせたり、
歴史的建造物を見に行ったりなどして、
互いに惹かれてゆく2人。

ある日、
エリオはオリヴァーの留守中、
彼の服を嗅ぎ恍惚とする。

その様子を見ていたオリヴァーだったが、
同性愛の背徳感から
エリオを避けるようになり、
朝帰りが増える。

それに嫉妬したエリオは、
ガールフレンドのマルシアと
セックスをするようになった。

マルシアと何度も求め合いながらも、
オリヴァーのことは常に考えていた。

転:すれ違いの解消と甘いひととき

エリオは「無視しないで話そう」
とオリヴァーに手紙を書く。

すると、オリヴァーから返信が。
「大人になれ。真夜中に会おう」

深夜、部屋へ行くと激しく求められる。
翌朝、オリヴァーは
「後悔していないか」
「嫌いになっていないか」と聞くが、
エリオは後悔もしていなければ
嫌いにもなっていない、と答える。

オリヴァーは
「君の名前で僕を呼んで
 僕の名前で君を呼ぶ」と提案。
ふたりでいるとき、
オリヴァーはエリオを「オリヴァー」と呼び、
エリオはオリヴァーを「エリオ」と呼ぶように。

残りわずかの日々を楽しもうと、
様々な場所へ行き、互いへ触れ合う。

ふたりが甘いひとときを過ごす一方、
エリオと連絡がつかなくなったマルシア。

マルシアは直接家へ訪れ、
「私はあなたの彼女?」と問う。
エリオが両手を宙にあげ、
即答しない様子を見ると、
何も言わずに去っていった。

結:オリヴァーが帰国して……

オリヴァーがアメリカへ帰る日が訪れる。

車の中で泣いているエリオの元へ、
マルシアがやってきた。

うやむやになっていた別れ話について、
「怒ってない。大好きよ。
 ずっと友達でいてくれる?」
とやさしく声をかけた。

──半年後、オリヴァーから電話がかかってくる。
その内容は……

続 き は 本 編 で

「君の名前で僕を呼んで」 おすすめポイント

「切ないBLが好き」という方は観ていないと本当にもったいないくらいオススメ!

文字通り「ひと夏の恋」で、ビターエンドな作品なのですが、マルシアという女の子と主人公のパパが非常に良い役割をしているんですよ〜!!!

上の起承転結でも書いたのですが、マルシアは主人公・エミオと夏のパーティーで盛り上がり、「初めて」を捧げています。しかしながら後日、エミオは「彼女かどうか分からない」と言って突き放すクズ男ムーブをかますんですよ。イタリアだと若気の至りっぽいけど、日本だったらボロクソ言われますね(笑)
で、そんなクズ男が、バックバージンを捧げた男にフラれ、涙ながらに帰ってきたところ、マルシアはこう言います。
「怒ってない。大好きよ。ずっと友達でいてくれる?」
あなたへの想いは確かだったし、今も人間として大好きだし、友達として付き合い続けたい。そんなメッセージを届けるんです。イイ女すぎる……。

エリオのお父さんもクライマックスで重要なお話をしてくれます。

「同じように男性と恋に落ちたことがあるけれど、結局は(時代的に難しかったこともあり)実らなかった。でも、今は美しい妻と聡明な息子に恵まれている」
という話を聞かせてくれるんです。

この2人がいなかった場合、物語はとたんにバッドエンドなんですよね。
「年上の男にヤリ捨てされた挙句『結婚するわ』って電話がかかってきた」
って話になってしまいます。

マルシアとエリオパパの言葉がクライマックスに入ってきて、
「切なくも美しい、ひと夏の恋」
という物語になるのです。

愛し合ったことは確かで、楽しかった思い出も確かで、誰も悪くない。
怒る必要もない。
ただ、タイミングが悪かっただけ。
きっとまた、幸せになれる日が
待っている。
そう匂わせてくれる部分があって、
「切ない」けど、
「悲しい」ラストではないのが
たまらなく良いです。

ぜひ最後までご覧ください。

さて、真面目な話は
この辺にして語りたいシーンがあります。

🍑🍑🍑アプリコットえっっっち🍑🍑🍑

これすっごい性癖に刺さっちゃって。

どんなシーンかと申しますと、オリヴァーと初夜を共にした翌日。
自室でボンヤリしているエリオは、アプリコットを手にとって、人差し指でぐりぐりほぐし、穴を拡げ、そのままそれを使って自慰行為を開始。

そこへ、オリヴァーが帰宅。
咄嗟に隠すのですが、局部からする甘い匂いとテーブルの上のアプリコットを見て察する。
エリオは変態的なことをした自覚があるのでオタオタと慌てるんですが、オリヴァーはニヤッと笑って
そのままセックスする。
このときのオリヴァーのエロかっこよさと、エリオのエロかわいさが最高なんですわ……。

初夜ではオス〜ッ!!!なオリヴァーがこのシーンで襲い受けっぽい艶めかしい雰囲気になるのも萌えます。

シチュエーションもいいのですが、映像美が素晴らしいです。
画角と照明と……なんだかもう全て計算しつくされていて、恍惚としてしまう。

この作品は実写BL苦手〜という方にも自信を持ってオススメします!

こういうのが好きな人は本当に観て!!

  • 自信家で自分勝手なスパダリ
  • 内気で上品な坊ちゃん
  • 年齢差に萌える
  • 切ないBLが好き

「君の名前で僕を呼んで」 予告映像トレーラー

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