気持ち悪いけど好き【BLマンガ感想】セキモリ『前から知ってる君のこと』レビュー

作品名
前から知ってる君のこと 
作者名
セキモリ 
レーベル
GUSH COMICS
あらすじ
人材派遣会社営業の維田は、ハードワークでお疲れ気味。担当している派遣社員が次々と問題を起こす上に、ケガした子猫まで拾ってしまう。
しかも、偶然見つけた動物病院の獣医(♂)が、初対面にも関わらず「毎晩あなたの夢を見ます。ずっとあなたが好きでした」と電波な告白!! だが、仕事柄、電波さんの取り扱いには慣れている。子猫が治るまでと割り切って獣医の元へ通うことにしたが、なんと相手は料理上手で甘やかし上手…いかん、このままでは落とされてしまう──!!?
同時収録
「屋根裏ルール」
(ツッコミ芸人×ボケ芸人)

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作品の雰囲気

コミカル←|―|―|●|―|―|→シリアス  
物語重視←|―|―|●|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|●|―|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|●|―|―|→えちえち
さわやか←|―|●|―|―|―|→じめじめ
現実主義←|―|●|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|●|―|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|―|●|―|→受の良さ

攻めキャラ情報

三善 啓斗
 #黒髪 #中背 #細身 #白衣 #26歳 #獣医 #後継者 #真面目 #執着 #一途 #不思議 #天然 #わんこ #家庭的

「前世では上司と部下って感じでしたけど」(18ページ)
「嬉しいです オレに興味持ってくれたみたいで」(42ページ)
「オレが言いたいのは そういう所も好きって事です」(83ページ)
「あと維田さんの服も維田さんに着てもらってて羨ましいですし 維田さん周辺の空気も維田さんの口に吸ってもおらってて…」(101ページ)

出典:セキモリ『前から知ってる君のこと』(海王社、2016年)

受けキャラ情報

維田 路留
 #茶髪 #中背 #細身 #スーツ #30歳 #会社員 #ツンデレ #照れ屋 #面倒見がいい #硬派 #真面目 #仕事ができる

「問題は人生30年目にしてオレに夢と希望がまったく見えないって事だよ」(11ページ)
「うるせぇ お前目ぇ閉じて耳塞いで黙ってやれ」(59ページ)
「……猫の名前はオレに考えさせろよ」(72ページ)
「…おっさんだもん」(87ページ)
「……お前って…何て言うか………ほんとダメな奴だな…」(102ページ)

出典:セキモリ『前から知ってる君のこと』(海王社、2016年)

攻めと受けの比較

年齢:攻<受
身長:攻>受
体格:攻=受
階級:攻=受
立場:攻=受

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セキモリ
『前から知ってる君のこと』

あらすじ

派遣会社で働いている
維田(受)は、
トンデモ派遣を引き寄せる
体質なのか、常日頃から
押し寄せる面倒な人物たちに
頭を悩ませていた。

ある夜、雨の日の帰り道で
怪我をしている子猫を発見。
治療費やその後が
気になるところでは
あったものの、可哀想な
猫を放っておけず、
近くの動物病院へと電話をかける。

子猫を抱えて病院へ
訪れると、若い男が出てきた。
童顔ではあるものの、
れっきとした医者で、
黒猫の処置を施してくれる。

ペット不可のアパートで
暮らしている維田は
連れて帰る場所がなく、
そのことを相談すると
里親が決まるまで
病院で預かってくれることに。

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セキモリ
『前から知ってる君のこと』

ただし、条件を与えられた。
「毎日会いにくること」
それは預けている猫にではなく、
その男に、ということだった。

三善(攻)と名乗る医者は、
ずっと前から好きだったと語る。
どこかで会ったことがあるのかと
思えば、にわかには信じがたい
「前世」の話をし始めた。

冷静に対応する維田。
おかしい人の対応は
仕事で慣れているため、
あまり動じなかった。
とはいえ距離を置きたいが、
猫が気がかりで
病院へ通う日々。

すると、作りすぎた夕飯を
食べないかと誘われる。
三善は怪しいことを言ってくるが、
危害を加えるわけでもないため、
承諾して食卓を囲む。

思いの外おいしい料理を
食べている途中、
スポーツ観戦を誘われる。
維田の好きなアメフトで、
即答で「行く」と回答。
三善は維田がアメフトを
好きなことも知っていた。

アメフトの観戦後、
夕食に誘われた維田。
まるでデートのような
プランに戸惑っていると、
「猫も心配なのでウチで」
と言われる。
いつも通りだと安心し、
「なら行こうかな」と
着いて行き、
相変わらずおいしいご飯に
舌鼓を打つ。

味の好みや趣味に理解のある
三善に、すっかり居心地がよく
なってしまった維田は、
「明日もお前の飯
 食いに来てもいいか?」
自ら尋ね、毎日通うように。

胃袋をつかまれ、
かいがいしく世話をされ、
猫の面倒まで
見てもらっているうちに、
維田は三善に惹かれてゆく。

いつものように
「昔」のことを
嬉しそうに話す三善へ、
維田は
「お前が好きなのは
 オレなのか
 夢の中のオレなのか
 どっちなんだよ」
と嫉妬を露わにして──!?

続きは本編で

本編はこちら

セキモリ
『前から知ってる君のこと』

感想レビュー

ボスな受けかわいい!
上では一応「ツンデレ」のタグを
つけているんですが、
どっちかというと
「カッコつけたい照れ屋さん」
アニキ感と親分肌があるので
面倒事に巻き込まれやすい。

普通こんな派遣ばっかりだと
辞めたくなると思うんですが、
真面目で責任感あるから
面倒を見てしまう男。

三善も過去に面倒を見られた1人。
作中で「前世」の話は嘘だった、
って告白してはいるんですが、
最後のお話は本当にそうだったと
匂わせて終わっているのが好き。

維田を守って死んだ三善が
来世でちゃんと巡り逢えて
よかったね…よかったね…
という気持ちになりました。

前世から維田に執着というか
絶対なる忠誠を誓っていて、
命を張ることもいとわない
良い右腕だったんだろうなぁ。

同時収録の「屋根裏ルール」は
前作のスピンオフらしいですが、
単品で読んでも問題ない構成でした。

お笑い芸人コンビが実は
カップルで、その馴れ初めは…
というお話。

両方に通じる
「恋人でもあり、
 理解しあえる
 ”相棒”でもある」
そんな関係性に
萌える方にオススメ
です!

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『前から知ってる君のこと』