目には見えない大事なもの「ここにある、君のおと」ネタバレ感想レビュー

少しヘタレな恋愛脚本家
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癒し系な盲目のマッサージ師

作品名
ここにある、君のおと 
作者名
元ハルヒラ 
レーベル
ビーボーイコミックス 
あらすじ
脚本家の茜屋は悩んでいた。恋愛ドラマのいい展開が思い浮かばない……どうしたもんか、とカンヅメにやってきた温泉宿で、目の見えないマッサージ師・竹久と出会う。不自由でも、明るく笑顔が可愛い竹久。捨て犬・ユーゾーも加わり、ラブ急展開…!? 「目には見えない大事な感情」を勇気を出して声にして伝えたい…ぬくぬくBL。
同時収録
青春かくも青く
(卒業した先輩×まだ高校生の後輩

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傾向チャート

コミカル←|―|―|●|―|―|→シリアス  
物語重視←|―|―|●|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|●|―|―|→表情重視
けんぜん←|●|―|―|―|―|→えちえち(同時収録作はエロあり)
さわやか←|―|●|―|―|―|→じめじめ
現実主義←|―|●|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|●|―|―|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

攻め情報

茜屋
 #黒髪 #長身 #細身 #脚本家 #ヘタレ #努力家 #マイペース #衝動的 #強引 #優しい

「笑ってるの見たい そりゃ 見たいよ」(28ページ)
「じゃあ フンバって来ます!!」(52ページ)
「ユーゾー…兄ちゃん久しぶりになぐられた気分…」(70ページ)
「これ 一応時間分 もらってもらわないと 言い訳できないでしょ?」(104ページ)
「会った時にどうするかメモしたんだった……どうすんだこれ……読みあげるつもりか俺……」(142ページ)
「佑二 ケーキ買って来たよ」(156ページ)

出典:元ハルヒラ『ここにある、君のおと』(リブレ、2012年)

受け情報

竹久 祐二
 #茶髪 #中背 #細身 #盲目 #按摩師 #真面目 #努力家 #癒し #気づかい #タフ

「あっ もう少し…優しくお願いします…」(34ページ)
「だめだろ 僕から離れちゃ」(46ページ)
「ユーゾーが無事で よかった だって ユーゾーは喋れないから 迷っても道を聞くことも助けを呼ぶこともできないし」(54ページ)
「頼りにされるの嬉しい 茜さんの力になりたい ちゃんとできるか不安だけど がんばろう がんばらなきゃ」(90ページ)
「そんなことばっかり考えて僕…浮かれてばっかで 恥ずかしいな…」(109ページ)「」(ページ)
「僕は 障害があってどうしてもできないこともあって なのに茜さんが 僕を好きって言う…それが分からなくて…」(146ページ)

出典:元ハルヒラ『ここにある、君のおと』(リブレ、2012年)

攻めと受けの対比

年齢:攻?受
身長:攻>受
体格:攻=受
階級:攻=受
立場:攻>受(→攻=受)

起承転結ネタバレ

登場する動物:パピヨンの「ユーゾー」

脚本家の茜屋(攻)は、
現在執筆中の作品が
なかなか進まず、
気分転換と缶詰作業をかねて
温泉旅館へとやって来た。

原稿は相変わらず
進まないものの、
座っていると身体が
凝ってしまい、
按摩師を呼ぶことに。

そこへやって来たのは
盲目の按摩師・竹久(受)。
彼のことが気になった茜屋は、
翌日には竹久を
指名して部屋へ来てもらう。

なんでそんなに…

ぼくのこと

実は僕

脚本家って

やつでして…

最初は興味本位だったものの、
竹久と会話をするうちに
惹かれてゆく茜屋。

ある日、コンビニへ
買い出しに行ったきり
竹久が帰って来ていない
と聞いた茜屋は、
探しに向かう。

すると、そこには
迷い犬と竹久が…。
処分されそうに
なっているところを
保護したいと申し出た
竹久だが、盲導犬でもない
ただの犬の面倒を見るのは
大変だと言われてしまう。

茜屋は助け舟を出し、
飼い主が見つかるまでの
期間だけ、旅館の一角に
住まわせることを提案。
女将からも許可をもらい、
犬は旅館で暮らし始める。

飼い主を見つけたが、
意図的に捨てたことが判明。
無責任な言動に腹が立った茜屋は、
自分で引き取って飼うことを決意。

そのころ、
竹久は犬と散歩をしていた。
最初は大人しく歩いていたが、
あることをキッカケに
急に走り出し、
森の中へ迷い込んでしまう。
雨も振り出し、
空も暗くなってゆく…。

茜屋が探しに行くと、
竹久は発見できたが、
犬の姿が見当たらない。

助けてあげてください!

そう言われて

断れる男はいませんよ

もうひと踏ん張りしようと
立ち上がり、その前に旅館へ
連絡すると、
犬は既に発見されていた。

森の中、
二人きりになった竹久と茜屋。
茜屋は自分の気持ちを伝え、
竹久の返事を受け取った後、
温泉旅館を離れる。

車で5時間の距離があるため、
頻繁には会いに行けない。
そんなときに、茜屋は
自分が手掛けた脚本の
評判が悪いと聞いてしまい、
ダメージを受ける。

癒しを求めて温泉旅館へ。
仕事のことで悩んでいる姿を
見せたくない茜屋だったが、
女将が気を利かせて
竹久を向かわせる。

…僕

あなたに甘えていいのかな

どうぞ

優しく受け止めてくれる竹久に、
遠方という非日常感も相まって
浮かれてしまった茜屋は、
仕事中の竹久を散歩へ連れ出す。

今回の宿泊は、
2泊3日と短いこともあり、
少しでも長く一緒にいたい茜屋は
竹久を指名して
再び連れ出そうとする。

しかし、誘いは断られた。
ちゃんと仕事を
したいと言う竹久に、
茜屋は甘えすぎたことを
反省し、大人しく
マッサージを受ける。

茜屋は改めて好きだと
告白するが、
竹久は「ごゆっくり」とだけ
言い残して去ってしまう。

どうやら竹久は、
人を好きになること、
人に好きになってもらうこと、
そのどちらにも
臆病になっているようで──

続きは本編で♡
(エンディングの種類:ハッピーエンド)

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500字感想

じんわりとあたたかい、
素敵な物語。

春のひだまりのような、
丁寧に煎れてくれた緑茶のような、
ホッとする良さのある作品です。

茜屋は人間臭くて、
現実味のある男です。
ヘタレで落ち込みやすいのに、
たまに強引で、意外とロマンチスト。
ユーゾーに対する扱いについても、
旅館で放し飼いしたり
うたた寝して目を離したりする
うっかりしたところもあるけど、
ちゃんと散歩やご飯はあげる。
ユーゾーの元飼い主に対しては、
「てめえみたいなクソガキに返せるか」
と思いつつ、口に出したのは
「買うわけねーだろ ボケ
見た目ゴツくて怖かったからね…。
こういう男の人いるよな〜
って感じの、妙なリアルさが
物語への没入感を深めてくれます。

竹久は照れ笑いが可愛い、
本当に癒される成分のかたまり。
大変な幼少期を過ごしながらも
健気に努力し、周囲に恵まれて
良い子に育ったんですよ……。
これからはそのぶん
幸せになってくれよな…!
そんな風に送り出したくなる受け。

表題作は「これから始まる」
二人を描いているので、
人によってはラブ度が足りないと
思うかもしれないんですが、
それを補うような
同時収録作「青春かくも青く」。

卒業して遠方の大学へ行った
年上の恋人を想う受けが
ま〜なんとも可愛い。
小林くん(モブ)と
仲良くな…フフフ…。

こちらの作品はラブとエロに
振ってあるので、
じんわり系ではないのですが、
1冊としてとても良い
バランスの2作品です。
お話は良いけど
ラブが物足りない表題作と、
恋愛要素強めだけど
お話はサラッとしている短編。
満足感のある一冊。

あたたかい気持ちになれる
BLを読みたい方に
オススメ
する一冊!

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