胸にずっしりくるBL「ビューティフル デイズ」ネタバレ感想レビュー

手のかかる13歳年上の叔父
×
虐待から救われた少年

作品名
ビューティフル デイズ 
作者名
斑目ヒロ 
レーベル
バーズコミックス リンクスコレクション 
あらすじ
高校生の朝陽は、幼い時に叔父・棗に引き取られてから共に生活している。ある日、動物の拾い癖のある棗が人間も拾ってきて!?
同時収録
「アナザーライフ」
(一途なバーテンダー×失恋した客)
「今日 あなたに別れを告げます」
(全員が誰かの「代わり」な話)

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傾向チャート

コミカル←|―|―|―|●|―|→シリアス  
物語重視←|―|―|●|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|●|―|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|―|―|―|→えちえち
さわやか←|―|―|―|●|―|→じめじめ
現実主義←|―|―|●|―|―|→非現実的
特殊設定←|●|―|―|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|―|―|●|→受の良さ

攻め情報


 #黒髪 #長身 #筋肉質 #スーツ #天然 #ゆるふわ #おっちょこちょい #お人好し #執着 #依存

「だって今日は大切な日だろう? はい お誕生日おめでとう 朝陽」(14ページ)
「あー…ごめーん 俺 酔ってたでしょお? 実は飲んでる途中から記憶が…気付いたら もう 朝でびっくりだよー」(36ページ)
「最近 朝陽を連れ回してるのもおまえか!? 朝陽に触るんじゃない」(85ページ)
「いずれ別れが来てしまったら さよならを…笑って手を離してあげなきゃいけないじゃないか そんなのは嫌だ…それだけは耐えられない」(95ページ)

出典:班目ヒロ『ビューティフル デイズ』(幻冬舎、2011年)

受け情報

朝陽
 #茶髪 #小柄 #華奢 #高校生 #しっかり者 #トラウマ #虐待 #健気 #面倒見がいい #したたか #一途

「棗さんと一緒にいてこれくらいで驚いてられないし 遠慮なんてしてられないもの」(10ページ)
「やっぱり棗さんには僕が必要なんだ しょーがないから一緒にいてあげる いっぱい感謝してよねっ」(16ページ)
「出てけよ ここは棗さんと僕の「うち」なんだから」(60ページ)
「ちゃんといい子にならなきゃ 新しい僕にならなきゃ 棗さんの求めるような僕に」(81ページ)

出典:班目ヒロ『ビューティフル デイズ』(幻冬舎、2011年)

攻めと受けの対比

年齢:攻>受
身長:攻>受
体格:攻>受
階級:攻≧受
立場:攻≧受

起承転結ネタバレ

登場する動物
 猫4匹
 犬1匹

棗(攻)と朝陽(受)は
血の繋がらない叔父と甥。
今は訳あって
朝陽の保護者となっている
棗だが、面倒を見ているのは
むしろ朝陽のほうだ。

かっこいい?

うんうん

かっこいい

かっこいい

ねぐせがなければね…

毎朝起こし、
支度を手伝う朝陽。
面倒を見なければ
ならないのは、
棗だけではない。

棗が拾ってきたり
人から譲り受けた
犬1匹と猫4匹、
そして極めつけは
棗が連れてきた男。

最初は家出だったり
恋人に捨てられたりの
理由で連れてくるが、
数日もすると
寝屋を共にする仲に
なってしまう。

気分が良いとは
言えないが、
口を出せる立場でもなく、
朝陽は諦めている。

それに、
入れ替わり立ち替わりで
多くの人が出入りしていた
ため、またすぐにいなくなる
ことも予感していた。

案の定、
棗は男に振られてしまう。
男よりも朝陽を優先したからだ。
自分のせいで振られてしまう
棗をかわいそうに思いながらも
優越感を覚える朝陽。

数日後。
酔っ払って帰ってきた棗は
朝陽を貪るように口づける。

僕は…

あの人たちじゃ

ないよ…?

棗さん……

…当たり前だろう? 

僕の唯一だ

そう言い残して
寝てしまった棗を
ベッドへ運んだ。

翌朝、朝日は昨晩のことを
聞くが、棗が覚えていない
「ふり」をしていると分かり、
何も言えなくなってしまう。

そして、新たな男「広海」を
家へ連れ込んだ棗。
彼は棗が学生時代に
交際していた相手だった。

朝陽よりも棗の面倒を
見るのが上手く、
朝陽よりも家事ができる
広海に、肩身が狭くなる。

楽をさせてもらっていて
満たされているはずなのに
どこか心に穴が空いたような
日々を過ごす朝陽。

だからね朝陽

家のことはいいから

好きなこといっぱい

しておいで 

大丈夫

広海がいて

くれるから

…はい

棗の面倒を見ることで
「必要」とされている
実感を得ていた朝陽は、
家での居場所を失う。

広海がいるから
自分はもう必要ないと
突き放されたような
想いだった。

食事や洗濯物の
面倒以外にも、
性的なことをしている広海。
頭では理解していたが、
ドアの隙間から
目の当たりにしてしまい、
朝日は嘔吐する。

その様子を見にきた
広海は「邪魔しないでね」と
釘を刺す。

朝陽は耐えきれず、
棗への想いを
広海へ伝え、
出ていくように促す。

それを聞いていたのは
偶然通りがかった棗。
しかし何も聞こえなかった
「ふり」をして出ていく。

今まで通り、
広海が家事をする生活が
始まった。

気持ちを否定された
朝陽は、夜の街で……。

続きは本編で──
(エンディングの種類:ノーマルエンド)

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500字感想

ずっしり感のあるBL。
水中にいるような
苦しさが漂う一冊です。

「愛」よりも
「執着」や「依存」が
上回っていそうな
カップルたち。

試し読み部分と
あらすじは
わりとポップで、
そのテンションで
読み進めたら
想像以上に深かったです。

同時収録作も含め、
人間の罪深い部分を
じっとりと描いています。

表題作は
・虐待
・ネグレクト
・家出した少年を非行に導く大人
・ペットを飼いきれず人に押しつける者
・未成年の目の前でセックスする大人
などなど、ダメ人間オンパレード。
でもありえないレベルじゃなく
実在していそうなリアリティが
あって、それが一層物語の
深みを出しています。

また、棗と朝陽の関係も
タブーとされる
近親相姦に近いです。
血は繋がっていないとはいえ
9歳から高校生になるまで
育てているので、
血と同じくらい濃い関係。

だからこそ口には出さず
手も出してこなかったのに、
酷く酔った日に理性が飛び、
思わず手をだしてしまった棗。
なかったことにしようと
振る舞うけれど、
朝陽が感情を引き摺り出し、
嘆くような告白をします。
94〜98ページの
悲痛な叫びは圧巻で
胸に響くものがあります。

同時収録のほうは
さらに重たくて、
なかなか救いのない
関係性の5人。

読み終わったあとは
ため息をつき、
しばらく感傷にふけます。

ヘヴィーなBLが好きな方、
共依存や束縛、執着に
ときめく方にオススメ
な一冊。