叔父と中学生【BL漫画感想】秀良子『STAYGOLD』レビュー

2021年春に完結、続く番外編も話題となった大人気作品『STAYGOLD』

血の繋がらない叔父・優士に恋をした13歳の少年・中山駿人と周囲の人々を描いた、ホームドラマBLです。駿人の兄・コウとその親友・日高との恋愛模様や妹・菊花の天真爛漫な姿など、見どころたっぷりのシリーズ。では早速、作品の概要から見ていきましょう!

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秀良子『STAYGOLD』 作品の概要(巻数・レーベルetc)

著者

秀良子

レーベル

on BLUE comics

巻数

全6巻

全体のあらすじ

両親不在、
血は繋がっていたり、
いなかったり。

ちょっとフクザツな
お家事情の中山家は
叔父兄弟と甥姪の4人ぐらし。
それでも歪な「家族」は、
なんとかうまくやってきた。

──駿人(甥っ子)が優士(叔父)に
好きと告げ、キスをする
までは。

13歳のままならない恋心は、
大人と子供の境目で、
ついに暴走をはじめる。

わたし
わたし

ホームドラマ的な

要素もあれば、

禁断の関係

家庭内外の出来事

などが重なって

混ざり合って

一つの物語に。

色々な愛のかたち

描かれている名作!

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秀良子『STAYGOLD』 作品の雰囲気

コミカル←|―|―|●|―|―|→シリアス
物語重視←|―|―|―|●|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|●|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|●|―|―|―|→えちえち
さわやか←|―|―|●|―|―|→じめじめ
現実主義←|―|―|●|―|―|→非現実的
特殊設定←|●|―|―|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

わたし
わたし

甥っ子×叔父

と聞くと

重たそうですが、

幼児の菊花ちゃんが

良い具合に

物語を軽くしていて

さらりと読めます。

メインCPは素股止まり、

サブCPにエロス凝縮。

こんな人にオススメ!

  • 「禁断の関係」という響きにときめく
  • 成長途中の年下攻めが好き!
  • 家族ものでほっこりしたい

秀良子『STAYGOLD』 登場人物(キャラクター紹介)

作中に登場する人物の一覧です。

中山 駿人(なかやま・はやと)

中山家の次男。中学になり急に金髪に染める。
#金髪 #中背 #筋肉質 #顔がいい #13歳(〜18歳) #中学生(〜高校生) #テニスプレイヤー #執着 #強気 #やんちゃ #一途 #健気

セリフで分かる!人物像

各巻から一言ピックアップ!

  1. 「誰かに取られるくらいならいっそ殺して 俺も死のうと思った」(引用:秀良子『STAYGOLD』1巻23-24ページ)
  2. 「俺 優士のことが好きなんで あの人の庇護下にいるみたいのは嫌なんです」(引用:秀良子『STAYGOLD』2巻26-28ページ)
  3. 「友達にはちゃんと ばいばい しろよ お前」(引用:秀良子『STAYGOLD』3巻52ページ)
  4. 「めっちゃさみしいじゃん あんなずっと一緒にいたのに」(引用:秀良子『STAYGOLD』4巻171ページ)
  5. 「あんがと ゆーじ大好き♡」(引用:秀良子『STAYGOLD』5巻66ページ)
  6. 「何年経っても どんな場所でも かわんない 俺が帰るところは優士だから 絶対に」(引用:秀良子『STAYGOLD』6巻166-167ページ)
わたし
わたし

最初はメンヘラ感

漂っていたのに

成長してから

だいぶ男前になり…

余裕は出てきたものの

一途な性格や

強気で信念を曲げない

ところは残っています。

中山 優士(なかやま・ゆうじ)

駿人の義理の叔父で、同居中の保護者。
#黒髪 #長身 #細身 #顔がいい #めがね #ヒゲ #タバコ #27歳(〜32歳) #翻訳家 #男前 #意地っ張り #我慢強い #気づかい #努力家 #慎重派 #常識人

セリフで分かる!人物像

各巻から一言ピックアップ!

  1. 「とにかく 一時の気の迷いで 後悔を残してほしくないの俺は」(引用:秀良子『STAYGOLD』1巻144ページ)
  2. 「いいじゃん お前の方が聞きやすいだろ 500円やるから」(引用:秀良子『STAYGOLD』2巻89ページ)
  3. 「家族に迷惑かけて そんなに好き勝手したいんだったら 出てけよっ」(引用:秀良子『STAYGOLD』3巻107ページ)
  4. 「お前 運動だけじゃなく勉強も はいは一回」(引用:秀良子『STAYGOLD』4巻171ページ)
  5. 「(俺がここまで出しゃばることでもなかったのかもしれない 駿人には駿人の新しい人間関係があって こういう時に頼れる相手はもう他にいたんじゃないのか?)」(引用:秀良子『STAYGOLD』5巻169ページ)
  6. 「あ──…しの 間に 挟むやつ って 知らないか…」(引用:秀良子『STAYGOLD』6巻199ページ)
わたし
わたし

破天荒な人物たちに

囲まれて、なんとか

軌道修正をしようと図る

健気な常識人。

でもそんな賑やかな

場所があってこそ

楽しく過ごせることに

気づく人物でもあり…。

攻めと受けの関係性

わたし
わたし

本作のメインCPに

挿入はありません。

ですが

駿人攻め/優士受け

かな〜と思います。

番外編で判明するかも!

年齢:攻 < 受
身長:攻 < 受
体格:攻 > 受
階級:攻 = 受
立場:攻 ≦ 受

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このキャラも重要!

わたし
わたし

メインキャラの他にも、

こんな魅力的なキャラが

登場しますよー!

菊花(きっか)

駿人の異父妹。おてんばでおませな女の子。

中山 コウ(なかやま・こう)

優士の異母弟。飄々としていて掴みどころがないが、優しくてセックスが上手いので女は絶えない。
10年来の友人・日高とセックスフレンドのような関係になるが…?

日高 仁(ひだか・じん)

コウの友人。10年間ずっとコウに片想いしており、コウの情報をノートにまとめている。
あるキッカケでキスやセックスをするようになったものの…。

秀良子『STAYGOLD』 1〜6巻の各巻あらすじ

1巻

両親不在、
血は繋がっていたり、
いなかったり。

ちょっとフクザツな
お家事情の中山家は
叔父兄弟と甥姪の4人ぐらし。
それでも歪な「家族」は、
なんとかうまくやってきた。

──駿人(甥っ子)が優士(叔父)に
好きと告げ、キスをする
までは。

13歳のままならない恋心は、
大人と子供の境目で、
ついに暴走をはじめる。

このシーンが重要!

……

何これ

え?

お花

花…

へんなの

引用:秀良子『STAYGOLD』1巻127-128ページ、祥伝社、2017年

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2巻

季節は巡り、駿人14歳。
中学3年生を目前にして
高校へは行かず就職すると
言い出す駿人に、
見かねた優士は
コウの友人・日高を
家庭教師
として
中山家に招き入れることに。

しかし日高から
「おしてダメなら引いてみろ」
とアドバイスを受けた駿人は、
優士にそっけない態度で
接してくるようになり…?

このやりとりが萌える!

…血が

つながって

なくても

家族は家族

だろ…

家族とか

俺は

信じてないし

血のつながり

とかも

どうでもいい

引用:秀良子『STAYGOLD』2巻166-167ページ、祥伝社、2017年

3巻

優士から発された強い拒絶に、
もとの家族に戻ったフリをする駿人。

おかしな空気がただよう中、
中山家を揺るがす
さらなる嵐……。
母、帰郷。

今は海女をしているという母から、
ここを出ていっしょに暮らさないか
問われた駿人は──!?

このやりとりが萌える!

お前には

これからいくらでも

選択できる未来と

世界が広がってる

それを知らない

から…

じゃあ

その世界に

優士も

つれてく

引用:秀良子『STAYGOLD』3巻167ページ、祥伝社、2018年

4巻

時はさかのぼり、
駿人が中山家を出て
少し経ったころ。

このままの関係で幸せだ
とかみしめていた矢先、
どう転んでか、
コウと「キスを許される関係」に
なってしまった日高。

わけもわからぬ夢心地と、
あふれだす欲望。
気がつけばコウとは、
身体をつなげる関係になっていた。

たぶん、人生で最高な時間。
なのに日高の心には、
何故か小さな不安が降り積もって…?

わたし
わたし

この巻はメインCPが

まったく出てきません。

スピンオフ的な1冊です。

このやりとりが萌える!

わかるよ

中で

びくびく

してんの

お前って

そーとー

むっつり

なのな

引用:秀良子『STAYGOLD』4巻119-120ページ、祥伝社、2019年

5巻

中山家を出て、
2年ぶりに帰省した駿人
すっかり大人びていた。

もうあの頃のように
優士に想いをぶつけてはこないし、
射抜くような視線も向けてこない…。

諦めのような、寂しさのような、
煮えきらない気持ちに懊悩とするなか、
突然知らされた駿人のアメリカ行きの決意。

激しくざわめく心に優士は戸惑い、そして…。

このやりとりが萌える!

子供扱い

すんな

久しぶりに

聞いたな

そのセリフ

引用:秀良子『STAYGOLD』5巻126-127ページ、祥伝社、2020年

6巻

駿人へのこの感情を、
なんと呼ぶのだろう?
優士はついに、
その名を知ってしまった。

アメリカへ旅立つ駿人と菊花を見送って
家を手放すことにした優士とコウは、
それぞれ、ひとり暮らしをはじめる。
けれど家族の面影がなくなった生活に
優士はしだいに憔悴して───。

いつだって側にいて、
想い続けてくれたのは駿人だった。
中山家・10年の日々と恋、
ここに完結!!

このやりとりが萌える!

俺のこと

好き?

…好きだよ

引用:秀良子『STAYGOLD』6巻186ページ、祥伝社、2021年

わたし
わたし

「これで終わり…!?」

と思わせておいて

番外編が始まります。

もうちょっとだけ

続くんじゃ

(満面の笑み)

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秀良子『STAYGOLD』 感想

以下は 6巻まで の感想です。

ファンに叩かれるのを承知の上でこれを言いたいッッ!!!
私は4巻が一番好きだ〜〜!!!

メインの駿人×優士も良きカップルなんですけど、私、日高が好きすぎてですね。
点と線で描いたような塩顔に無表情、そして頭の中は饒舌。一途にコウを想い続け、観察ノートは4冊にのぼる。コウが尊すぎてお経を唱えるとか、コウが好きすぎて脳内チャンピオンになるとか、おもしろくて大好きなキャラクターです。

4巻は、コウの見せる表情がまた素晴らしいんですよ。普段軽薄なぶん、伏し目になったり意味深な顔をするとグッとくる。最後のシーンなんて切なさがすごい。

さらに舞台は大学4年生の夏。「大学最後の夏」もうこの響きだけでエモい。アイス分けるシーンとかもうこっちが溶けてしまう。エロシーンの尻の描き方や言葉選びも好き。そんなこんなで、4巻がマイベストです。

最終巻6巻に関していうと、帯に「堂々完結!」と書いてあるんですが、番外編が続いています。
全然「堂々」じゃない……(笑)
でも色々と回収されていない伏線が残っているので、番外編で色々と解消されるといいなと思います。

恋愛模様以外にも、ホームドラマとしての見どころがあったり、仕事への向き合い方が勉強になったり、日常のほのぼの話に微笑んだり、色々な要素が楽しめる名作。

「完結しているけど6巻の大人買いはハードル高いな〜」という方は、とりあえず1巻、そしてぜひ私イチオシの4巻までは読んでほしいです!!

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