
本日のオススメ
今 市子「笑わない人魚」
(マーガレットコミックス/ホーム社/2013年)
あらすじ
失踪した叔父の遺言状をきっかけに、洋介は8年前の夏の日を思い出す。あの日、叔父の家のプールで見たのは、人魚のように美しいあの人。14歳だった洋介は、人魚への想いの正体に気づかないでいた。大人になり、人魚と再会した洋介は、幼い頃の憧れが次第に恋であると自覚していき──。
【攻】面倒事に巻き込まれやすい甥
×
【受】叔父が囲っていたメガネ美人
行方不明になった叔父の
後処理をすることになった
男子大学生・洋介(攻め)は
遺言状に残されていた
遺産相続相手・歩(受け)と
再会して…というところから
始まるストーリーです。
オススメしたい人は…
- 「紳士+やんちゃな年下攻め」が好きな人
- 「眼鏡美人のクーデレ年上受け」が好きな人
- 「数年越しに実る年の差恋愛」に萌える人
- 「しっとりとした落ち着きのある雰囲気」を求めている人
当てはまったけれど、
まだ買うか迷っている……。
そんな貴方のために、
もう少し詳しく
ご紹介していきますね!
「笑わない人魚」 あらすじ
失踪した叔父の遺言状をきっかけに、
洋介は8年前の夏の日を思い出す。
あの日、叔父の家のプールで見たのは、
人魚のように美しいあの人。
14歳だった洋介は、
人魚への想いの正体に
気づかないでいた。
大人になり、人魚と再会した洋介は、
幼い頃の憧れが次第に恋であると
自覚していき──。
同時収録作
「笑わない人魚」 作品の雰囲気
作品の傾向
コミカル←|―|―|―|―|●|→シリアス
さわやか←|―|―|―|●|―|→じめじめ
物語重視←|―|●|―|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|●|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|●|―|―|―|→えちえち
現実主義←|―|―|●|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|―|●|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|―|●|―|→受の良さ
ヘヴィー度チェック
身体虐待……………………………あり
精神虐待……………………………なし
自傷行為……………………………なし
流血表現……………………………なし
内臓描写……………………………なし
近親相姦……………………………なし
モブ強姦……………………………なし
主役の死……………………………あり
(主役の死=表題作以外の短編)
エロ修正(Renta!)

修正が薄いほうがお好みの場合は、基本的に紙の本での購入を推奨いたします。
電子書籍の中ですと、Renta!が修正薄めなことが多いです。
「笑わない人魚」 攻め×受け情報まとめ
攻め:寺島洋介(てらしま・ようすけ)
#黒髪 #長身 #細身 #スーツ #大学生(〜社会人) #営業部 #一途 #やんちゃ #紳士 #面倒見がいい #秘密主義
…一応これでも誘ってんですよ もう子供じゃないんですから
引用元:今 市子『笑わない人魚』24ページ、集英社、2013年
俺…俺ね 十四の時 夜のプールで人魚を見て なんて怖くてきれいな生き物がいるんだろうと思った その時からずっと ずっとずっと見城さんが好きです
引用元:今 市子『笑わない人魚』144ページ、集英社、2013年
受け:見城歩(けんじょう・あゆみ)
#黒髪 #中背 #細身 #傷痕 #眼鏡 #漁師 #ミステリアス #クール #一途 #健気 #寡黙
相続を放棄する事できるんですか? じゃあ放棄します 受け取る理由がないですから 僕は身内でもなんでもないですし
引用元:今 市子『笑わない人魚』17ページ、集英社、2013年
俺達は似た者同士だったのかもしれない 四角い海の中でしか自由になれない魚なんだ……
引用元:今 市子『笑わない人魚』39ページ、集英社、2013年
攻めと受けの日常会話

…うわあ
百年の恋も
さめるってやつ?

古くさい言葉
使うんだな
引用元:今 市子『笑わない人魚』34ページ、集英社、2013年
攻めと受けの甘い会話

俺達もともと
体だけの関係だろ

そのためだけに
週末ごとに二時間かけて
通って来てると
思ってんのか?
だとしたら
たいした自信だ
引用元:今 市子『笑わない人魚』46ページ、集英社、2013年
攻めと受けのH会話
絵だけで魅せるタイプのエロティシズム
攻めと受けの比較
年齢:攻め < 受け
身長:攻め > 受け
体格:攻め = 受け
立場:攻め = 受け
階級:攻め > 受け
「笑わない人魚」 無料で試し読み
「なんとなく作品のことが分かってきたけど、実際の中身が気になる…」
という方は以下の「¥0サンプル」をクリックするとすぐに試し読みが開始されます。
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※画像をクリックするとRenta!(レンタ)の商品紹介ページに移ります。
「笑わない人魚」 どれを買ったらいいの?
こちらの作品、調べると色々なカバーイラストが表示されます。
中身は(ほぼ)変わりませんが、時系列としてはこんな感じです。
- 2005年あおば出版で刊行
(インファナルコミックス)
- 2007年あおば出版廃業
- 2008年双葉社に移籍して再販
(アクションコミックスBoys Loveシリーズ)
- 2010年アクションコミックスBoys Loveシリーズのレーベル廃刊
明確に「廃刊」という記載はありませんが、2010年以降このレーベルから新作は出ていません。
- 2013年集英社(ホーム社)に移籍して再販
(マーガレットコミックス)
「ほぼ」変わりないというのは、全て所持しているわけではないので、細かい部分まで確認できなかったからです。マーガレットコミックス版では、アクションコミックス版のカバーイラストが1ページ目にフルカラーで掲載されています。
「笑わない人魚」 売っている場所
販売ストア(電子書籍/ネット通販)の情報です。紙の本はマーガレットコミックス版で統一しています。
電子書籍
紙の本
「笑わない人魚」 続編について
2021年7月26日現在、続編情報は出ておりません。
1巻完結の作品です。
「笑わない人魚」 3つのおすすめポイント(ネタバレ感想)
ネタバレ注意
ここより先は
今まで以上に
ネタバレを含みます。
未読の方は
ご注意くださいませ。
「ある程度のネタバレを読んでから買いたい」という方のため、
未読の方にも分かりやすいように書いています。
おすすめポイント1:散文詩的な表現
文学的な雰囲気の漂う短編集です。行間をうまく利用した「散文詩」っぽい空気があります。小説ほどミッチリしていないけれど、ライトノベルほどポップでもない。どこか詩的で大人なんです。語られない部分も含めて魅力的な一冊。スカッとした読後というよりは、反芻したくなる内容ですね。あれはこうかなぁ、いや、こうかもしれないなぁ、と感想が波のように寄せては返します。時折現れるドラマチックなセリフも綺麗。
おすすめポイント2:いじらしいふたり
14歳からずっと歩(受け)が好きだった洋介(攻め)。一方の歩は、庸(洋介の叔父)がストレートだと分かっていながらも片想いを続けていました。
そんな一途で健気なふたりが恋人になったらラブラブ…かと思いきや、そううまくはいきません。口下手な歩と若い洋介は「お互い 好きとかは口が裂けても言わないし けんかしたら どっちも謝らないで何週間も会わないみたいなつき合い方で」(141ページ)、何度もすれ違っては「他の男と遊んでみせたり」(142ページ)してきました。今度こそ深刻な破局を迎えそうになったところから、再び結ばれ合うふたりにグッときます。
おすすめポイント3:短編集の構成での演出がいい!
本作は『笑わない人魚』『青髭の友人』『真夏の城』『廻遊魚の孤独』の順で収録されています。『笑わない人魚』のアフターストーリー、数年後のふたりを描いているのが『廻遊魚の孤独』です。そう聞くと『笑わない人魚』『廻遊魚の孤独』『青髭の友人』『真夏の城』のほうがまとまっていそうに感じるのではないでしょうか。しかし、この並びが非常に効果的で良いのです。
『笑わない人魚』は遺産相続から始まる物語、『青髭の友人』は三人目の妻が亡くなったことで始まる物語、『真夏の城』は通夜から始まる物語と、いずれも「死」と密接な内容。どちらの作品かは言いませんが、作中で人が死ぬ場面も描かれます。そのあとで『廻遊魚の孤独』が始まるので、「もしかして見城は死んでいるのでは…」というハラハラ感と、「でも冒頭に見城っぽい人いたし…」「いや今市子先生なら幽霊という線も…」など、考えながらページをめくる楽しさが味わえます。
ちなみに『海幸山幸』と『泳げない人魚』は、コミックエッセイ風のあとがきです。厳かなタイトルですがコミカルな話。
しっとりとした大人な雰囲気のBLが好きな人におすすめ!
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