異国ファンタジー【BLマンガ感想】熊猫『ハビービーにくちづけを』レビュー

熊猫先生の最新作(2021年8月時点)『ハビービーにくちづけを』は「初めてのファンタジーもの」(カバー折り返しより引用)です。
『愛は金なり』はファンタジーなキャラクターin現代日本でしたが、本作は舞台の隅々までファンタジー。異国情緒あふれる素敵な物語が拝めます。それでは詳しくご紹介します!

今回紹介するのはこちらの本

熊猫『ハビービーにくちづけを』

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『ハビービーにくちづけを』を読むべき人

  • 「金髪碧眼の知的好奇心旺盛な攻め」が好きな人
  • 「黒髪褐色肌の俺様富豪受け」を見たい人
  • 「ビジネスセックスから始まる恋」に萌える人
  • 「異国情緒あるファンタジーBL漫画」を求めている人

『ハビービーにくちづけを』あらすじ

とくとかわいがってやろう

引用元:熊猫『ハビービーにくちづけを』帯キャッチコピー、大洋図書、2021年

異国、運命の出会い──
世界中を旅する金髪碧眼のザック
砂漠の国の富豪・褐色肌のグレース
出会った瞬間から、相性最悪な二人。
俺様なグレースに振りまわされるザックだが、
グレースの館で働くことになった。
夜、寝所に呼ばれたザックは、
キスされ押し倒されていた──
「身の回りのお世話」って「夜伽」のこと!?

同時収録作

表題作のみ

『ハビービーにくちづけを』作品の雰囲気

コミカル←|―|―|●|―|―|→シリアス
さわやか←|―|●|―|―|―|→じめじめ
物語重視←|―|―|―|●|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|●|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|●|―|―|→えちえち
現実主義←|―|―|―|―|●|→非現実的
特殊設定←|―|●|―|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

ここから先はネタバレを含みます。
ご注意ください。

ヘヴィー度チェッカー

身体虐待……………………………なし
精神虐待……………………………なし
自傷行為……………………………なし
流血表現……………………………なし
内臓描写……………………………なし
近親相姦……………………………なし
モブ強姦……………………………なし
主役の死……………………………なし

『ハビービーにくちづけを』攻め情報

ザック・モア

#金髪 #碧眼 #長身 #細身 #ルポライター #知的好奇心 #男前 #強気 #言葉責め

テメーに掘られるくらいなら オレが掘る

引用元:熊猫『ハビービーにくちづけを』45ページ、大洋図書、2021年

見せるの勇気いるんだから褒めてくれよ

引用元:熊猫『ハビービーにくちづけを』193ページ、大洋図書、2021年

『ハビービーにくちづけを』受け情報

グレース

#黒髪 #褐色肌 #長身 #細身 #美人 #富豪 #俺様 #強気 #ツンデレ #弱視

オレが子供の頃一番気に入ってた本だ 読んでやるからこっちこい

引用元:熊猫『ハビービーにくちづけを』73ページ、大洋図書、2021年

ザック ………今日は …部屋に来るか?

引用元:熊猫『ハビービーにくちづけを』169ページ、大洋図書、2021年

『ハビービーにくちづけを』カップル比較表

年齢:攻め ? 受け
身長:攻め ≧ 受け
体格:攻め = 受け
立場:攻め < 受け
階級:攻め < 受け

熊猫『ハビービーにくちづけを』

『ハビービーにくちづけを』おすすめポイント・見どころシーン

ここから先はネタバレを含みます。
ご注意ください。

その1:絵本のようなファンタジー世界

童話を読んでいるときのような、ちょっと不思議で、外国の香りがするファンタジー。本格ファンタジーではないので、普段ファンタジーものを読まない方もとっつきやすくなっています。
どことなく宮沢賢治を彷彿とさせる設定。夜空に浮かぶ虹色のくじら、砂の湖と嵐、富豪の従者、意思疎通のできる相棒のダチョウ……。この相棒のダチョウ「ミウ」も良いキャラしているんですよ〜! 人間から失礼なことを言われたら「ミュ」と怒ったり、感情表現豊かな子です。
設定のみならず、演出もエキゾチックで素敵なんです。普通の恋愛漫画だと背景が花(バラとかマーガレットとか)のところが、手書きのペイズリー柄だったり幾何学模様だったり。細部まで独特な雰囲気を味わえます。アクセサリー類も丁寧で、描きこみにこだわりが感じられます。
カバーイラストに始まり、めくってすぐのカラー、第1話の冒頭部からワクワクします。試し読みで惹き込まれること間違いなし!

その2:顔が良い×3

ザック(攻め)、グレース(受け)、ティート(受けの従者)、3人とも顔が良い! 
町にザックが来たことによって住民たちの推し変事変が起きるのですが(98ページ)わかりみが深すぎます。町にいないタイプのハンサム・ザック、美形でフレンドリーな富豪・グレース、インテリ系の神経質そうな従者・ティート。タイプの違うイケメン揃いで、箱推しするしかないですね。

その3:いろんなエッチが見られる

第1話から最終話にかけて、いろいろなタイプのエロが拝めます。

  1. 受けから尻をほぐされる攻め→反撃(42〜44ページ)
  2. 従者ティートとの3P(42〜55ページ)
  3. 気持ちのすれ違いセックス(68〜71ページ)
  4. 両想いセックス(170〜182ページ)

1〜2は1シーンなのですが、
1は1として、2は2としてすごく良いので
別で紹介させてください。

まず尻をほぐされたザックの反撃。

なんだよ

ここ使うの

初めてか?

オレのケツ

掘るなら

まず自分で

試してからに

すれば?

(49ページ)

言葉責めしながらほぐし、グレースに挿入。
少しサディスティックなザックが見どころ!

そのまま気持ち良くなってしまったグレースに対し
ティートが「達してください グレース」(52ページ)
と射精管理的なセリフを放つのが最高でしたね。

1、2はエロ重視なエッチ、
3、4になると胸キュン系のエッチに移行していきます。

片想いのときも、
両想いになってからも、
グレースはザックを見て

キラキラしてる

と考えています。

ただ少し違うのは、
3のときは「キラキラしてる(綺麗なのにつらい)」、
4のときは「キラキラしてる(とても綺麗)」。
ここの変化にグッときます。

「キラキラしてる」は物語のキーワードでもあるので
そこも注目です!

ファンタジーBL漫画を読みたい人、
とにかく顔がいい2人を拝みたい人に
オススメな1冊。

この記事でオススメした本はこちら

熊猫『ハビービーにくちづけを』