元AV男優の美人【BLマンガ感想】キタハラリイ『はきだめと鶴』レビュー/ドラマCD情報

退廃的な中年の美人って
なんだか惹かれませんか……。
そこに切ないストーリー
絡まったら、
最高すぎて三度の飯よりウマイ!!

そんな同士にオススメしたい
本日のコミックは、
キタハラリイ先生の
『はきだめと鶴』です。

まずはざっくりとした作品紹介から!

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キタハラリイ『はきだめと鶴』 作品紹介(あらすじ)

作品名

はきだめと鶴

作者名

キタハラリイ 

レーベル

Qpaコレクション 

あらすじ

映画館でバイトとして働く、
元AV男優の澄川螢、35歳、フリーター

澄んだ川に蛍だなんて
うすら寒い冗談の様な名前に、
“綺麗”なんて言葉とは相容れない
至極どうしようもなく堕ちた人生。

毎週日曜日のレイトショー、
螢の働く映画館にやって来ては
螢のことを「ほたるさん」と呼び
やたらと懐いてくる
一回りも年下の男・岡崎準太
“綺麗”だの“一目惚れ”だのと言われ
つい口を衝いて出た言葉……。

「僕ね、
 今の映画館で

 バイトする前は
 ゲイビに出てたの
 バリネコで

 ハードなやつ」

綺麗だなんて
何も知らないくせに
馬鹿馬鹿しい──。

わたし
わたし

この表紙のインパクト!!

美人でどこかほの暗くて、

闇を感じさせるのに

手に取らずにはいられない…。

あらすじも暗めですが、

ちゃんと救いのある

ハッピーエンドなので

安心して読み進めてください。

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キタハラリイ
『はきだめと鶴』

キタハラリイ『はきだめと鶴』 作品の雰囲気

コミカル←|―|―|―|―|●|→シリアス  
物語重視←|―|―|―|●|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|●|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|―|●|―|→えちえち
さわやか←|―|―|―|●|―|→じめじめ
現実主義←|―|●|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|―|●|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|―|●|―|→受の良さ

わたし
わたし

受けの過去が壮絶で、

さらっと流されずに

ドロドロとしっかり

描かれています。

つらい、けど、
だからこそ
救いのシーンが輝く
作品です。

キタハラリイ『はきだめと鶴』 攻めキャラ情報

岡崎 準太(おかざき・じゅんた)

#茶髪 #中背 #細身 #イケメン #23歳 #リーマン #ワンコ #素直 #ノンケ #真面目 #家庭的

「何より 俺が今までの人生で見てきた中で、一番綺麗な人だ」(ページ)
「今までこんな風に思ったことなかったけど、俺、ほたるさんには何でもしてあげたい」(47ページ)
「金曜日だし1週間頑張ったご褒美に ほたるさんの声聞きたいなって思って」(60ページ)
「ほたるさんのことだけは どうしても諦められない どうしても、好きなんだ 自分でも悲しくなるぐらい」(127ページ)
「自分で選んできたことがどんな結果でも誤魔化さずに 受け入れるあなたの強さが、やっぱり俺は好きです」(198ページ)
「ほたるさん、また古紙回収出すの忘れたでしょ」(205ページ)

出典:キタハラリイ『はきだめと鶴』(竹書房、2016年)

キタハラリイ『はきだめと鶴』 受けキャラ情報

澄川 螢(すみかわ・けい)

#金髪 #中背 #細身 #美形 #タバコ #35歳 #フリーター #元ゲイビ男優 #厳格な家庭 #高卒 #裏社会 #諦観 #自虐 #トラウマ

「いつも茶色いマフラーされてたなと思って…間に合って良かった…」(19ページ)
「何でもしていいし何でもしてあげる 気が済むまで何度でも」(29ページ)
「僕のことを可哀想なやつだって慰めたいの」(88ページ)
「世間知らずの子供のまま大人になった僕は 必死にそう信じてた」(150ページ)
「そんな無様なところ、あの人に見せるぐらいなら死んだ方がマシだ」(174ページ)
「こんな普通の人みたいな生活、何か全然慣れなくて変な感じだよ…」(211ページ)

出典:キタハラリイ『はきだめと鶴』(竹書房、2016年)

キタハラリイ『はきだめと鶴』 攻めと受けの比較

年齢:攻 < 受
身長:攻 > 受
体格:攻 = 受
階級:攻 > 受
立場:攻 = 受

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キタハラリイ
『はきだめと鶴』

キタハラリイ『はきだめと鶴』 感想レビュー

螢(受け)が救われて
本当に良かった〜〜〜!!!!
となる読後感。

物語の焦点が受け・螢に当たっていて、
どういう境遇で、どれほど絶望して、
どんな人物と、どの程度の期間関わってきたのか、
今までの過程が事細かに描写されています。
2、3コマで流れるような過去ではなく、
ほぼ1冊が過去の話というくらい
緻密に語られています。

なので余計に辛さが突き刺さるんですよ。
そのぶん、救われて本当に良かったなと
心に染み入る内容になっています。

ほぼ1冊が過去の話と言いましたが、
残りは現在のセックスで埋められています。
たしかにエロいし
そこも見どころですが、
それだけではなく、
温度差の異なる点に注目したい!

「幻滅すればいい」
という考えで始まった
準太とのセックスは、
やや自傷行為に近いものでした。

身体だけでもつながりたい
という切ない想いを抱える準太と、
早く見離せばいいと諦観する螢の
アンバランスなセックス。

この2人が、やがて身体だけでなく
心も結ばれていきます。
この温度差にグッとくる。

何度突き離しても、
何度失望させても、
諦めずに戻ってきては
螢の身も心も受け入れる
準太が健気で男前なんです!

起こったことは変えられないけど、
過去を清算して
明るい未来を歩み始める、
救いのあるエンディングに
ジーンと来ます。

単行本描き下ろしは
とにかく甘々なので
ニマニマが止まらない!

電子書籍限定4ページも
螢さんが可愛くて甘いです。

救われて終わり、じゃなく
甘い生活も見られる単行本

ほんと神でした。

表紙がダークですし
お話も裏社会の闇深い部分があるので
なんだか怖そう、と思っている方は
最後まで読めば感動間違いなし
なので
つらい過去の描写に諦めず読み切って…!

痛々しい描写はありますが
流血や殴打など暴力的なものはないですし
裏社会ものの中では
読みやすい
と思います。

・デカダンでエロ美人なお兄さん(35歳)受け
・裏社会のこじらせた愛憎
・年下ワンコが救い出すハッピーエンド
この3つのうち、どれか1つでも
ときめくものがあったら
読むことをオススメします。

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キタハラリイ
『はきだめと鶴』

キタハラリイ『はきだめと鶴』 ドラマCD情報

キャスト

岡崎準太
 古川慎
澄川螢
 平川大輔
波柴
 川原慶久
大野
 新垣樽助