【フランス映画】フランソワ・オゾン『ぼくを葬る』レビュー

作品名
 ぼくをおく
監督
 フランソワ・オゾン
 (『彼は秘密の女ともだち』)
脚本
 フランソワ・オゾン
主演
 メルヴィル・プポー
 ジャンヌ・モロー
配給
 ギャガ
あらすじ
 パリで活躍する気鋭の人気ファッション・フォトグラファー、ロマンは、ある日撮影中に突然倒れてしまう。診断の結果は末期のガン。医師の勧める化学療法を拒んだ彼の余命は3ヶ月と告げられる。様々な感情がロマンの心に押し寄せる。愛しているものの、なかなかうまく折り合うことができずにいた家族には、このことを秘密にすると決めたロマン。一方、恋人の青年サシャには、冷たく別れを告げてしまう。そんな中、唯一心を許す祖母にだけは自分の苦しみを素直に打ち明けるのだった。そして、死が迫る中、ロマンの心にある想いが芽生え始める。

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傾向チャート

コミカル←|―|―|―|―|●|→シリアス  
演技重視←|―|―|●|―|―|→見目重視
台詞重視←|―|●|―|―|―|→画図重視
けんぜん←|―|―|―|―|●|→えちえち
さわやか←|―|―|―|●|―|→じめじめ
現実主義←|●|―|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|●|―|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

攻め情報

ロマン
 #黒髪 #長身 #細身 #ヒゲ #タバコ #コカイン #31歳 #フォトグラファー #姉 #浮気性父 #ガン患者 #余命3ヶ月 #ゲイ #皮肉屋 #意地っ張り #自信家

「化学療法は論外だ」
「同性愛者で残念だね 子供はできない」
「僕が怖い?」
「真実の方がいいだろ? 傷ついたなんて言うなよ」
「愛してると言いに行く」
「奇跡が? 信じてないくせに」
「頼みがある 最後にセックスしたい 君に触れて 君の肌を感じたい」

出典:フランソワ・オゾン『ぼくを葬る』(ギャガ、2005年)

受け情報

サシャ
 #金髪 #中背 #華奢 #ヒモ #ゲイ #ゲーム好き #軽率 #素直

「何様のつもり? 写真で売れたからって自惚れるなよ」
「顔色が悪いけど大丈夫? 太陽にあたらなくちゃ」
「誰か見つけたんだね 君は1人じゃ生きられない」
「仕事のお礼に寝ると 娼婦になったみたいで それが嫌なんだ」

出典:フランソワ・オゾン『ぼくを葬る』(ギャガ、2005年)

攻めと受けの対比

年齢:攻>受
身長:攻>受
体格:攻=受
階級:攻>受
立場:攻≧受

起承転結ネタバレ

起:売れっ子のファッションフォトグラファーであるロマン(攻)は、撮影中にひどい頭痛で倒れる。検査をすると、手術の施しようがないほど進行しているガンだった。それを誰にも明かさず、仕事を辞め、恋人・サシャ(受)と別れ話をした。唯一打ち明けたのは、自分と同じく死期が近い祖母だった。祖母や医者から化学療法を薦められるが、すべて断り、最後の時間を過ごすことにした。

承:死ぬ前に、気がかりなことを修復しようとするロマン。姉との確執を埋め、別れた恋人に新しい仕事を根回しする。姉とは電話のみで和解したが、サシャとは顔を合わせて話した。そこで病気のことを打ち明けようとするが、うまく言えない。「最後にセックスがしたい」と申し出る。しかし、サシャは2人の関係は終わったことだと断る。

転:カフェの女店員から、「不妊症の夫の代わりにセックスをしてほしい」と依頼されたロマン。一度は断ったが、考えを改め、引き受けることに。ゲイである彼は夫にも協力してもらい、3人でのセックスを行う。女は無事に妊娠し、2ヶ月目に入った。ロマンは夫婦を弁護士の元へ呼び、自分が余命わずかであること、遺産を生まれてくる子供に授けることを遺言として残した。

結:ロマンは最後の旅へ出る。電車を乗り継ぎ、やってきたのは美しい浜辺。かつてサシャと訪れた場所だ。美しい思い出を目の裏に浮かべながら、陽が暮れる砂浜で横たわった。姉と仲が良かった幼少期、友人と遊んだ少年期、サシャとの日々。綺麗な思い出と、これから来る死に思いを馳せ、ロマンは目を閉じた。

予告映像と本編の視聴はこちら

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