【アメリカ映画】アン・リー『ブロークバック・マウンテン』レビュー

作品名
 ブロークバック・マウンテン
監督
 アン・リー
 (『ハルク』『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)
脚本
 ラリー・マクマートリー
 ダイアナ・オサナ
主演
 ヒース・レジャー
 ジェイク・ジレンホール
レーベル
 ワイズポリシー
あらすじ
 1963年夏、ワイオミング州ブロークバック・マウンテンで出会ったイニスとジャック。野営しながら羊の移動牧畜の仕事をする間の芽生えた親密さは危険な一線を越えた。4年後、互いに募らせた思いは一気に噴出する。タブーを犯した真率な愛は世間や家族の目を逃れた大自然の奥深くに隠れ家を求める他ない。

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傾向チャート

コミカル←|―|―|―|●|―|→シリアス  
演技重視←|―|―|●|―|―|→見目重視
台詞重視←|―|―|―|●|―|→画図重視
けんぜん←|―|―|―|●|―|→えちえち
さわやか←|―|―|●|―|―|→じめじめ
現実主義←|●|―|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|―|●|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

攻め情報

イニス・デルマー
#茶髪 #長身 #筋肉質 #カウボーイ #貧乏 #次男 #兄 #姉 #親が他界 #堅実 #寡黙 #頑固 #喧嘩っ早い #自己中心的 #トラウマ

「俺は金を貯めてる」
「お前は罪深いだろうが 俺の身はまだ清いぜ」
「あれは1回限りのことだ 俺はカマじゃない」
「アルマと11月に結婚する」
「俺はこの生活から逃れられない 生きていくことで精一杯だ」
「もし何かのきっかけで人に知れたら 命がない」
「俺を楽にしてくれ お前のせいでこんな人間に 俺はクズだ 負け犬なんだ」
「ジャック 永遠に一緒だ」

出典:アン・リー『ブロークバック・マウンテン』(ワイズポリシー、2005年)

受け情報

ジャック・ツイスト
#茶髪 #長身 #筋肉質 #カウボーイ #父と不仲 #自信家 #一途 #健気 #やんちゃ #陽気 #ポジティブ #劣等感

「俺なら乗りこなせるさ」
「2週間で初めてまともに話したな」
「震えてないで入れよ」
「どうするかは君次第だ」
「待ち切れずに車をスッ飛ばしてきた お前はどうだ?」
「”離婚成立”の葉書をくれたろ? だから会いに来た」
「本音を言うと 時々 お前が恋しくて たまらなくなる」
「俺のつらい思いが 何故わからない」

出典:アン・リー『ブロークバック・マウンテン』(ワイズポリシー、2005年)

攻めと受けの対比

年齢:攻 ? 受
身長:攻 ≦ 受
体格:攻 = 受
階級:攻 < 受
立場:攻 = 受

起承転結ネタバレ

ここから先は
ネタバレです

未視聴の方は
ご注意下さい

起:ふたりの出会いと別れ

季節労働で出会った2人のカウボーイ、ジャック(受)とイニス(攻)。やがて一線を越え、同じテントで夜を明かす。しかしイニスが過剰に男性同士の恋愛を否定し、疎遠となってしまう。

承:お互い、女性と結婚

互いに女性と結婚したジャックとイニス。ジャックがイニスにポストカードを送り、2人は再会。妻には「釣りをしに行く」と伝え、郊外で逢瀬を重ねる。

転:イニスの離婚

イニスが離婚。ジャックは駆けつけるが、イニスから「娘を優先したいから分かってくれ」と追い返されてしまう。切なさで別の男と浮気。イニスに浮気を責められるが、ないがしろにするほうも悪いと反発。なぜゲイに対し過剰なまでに反応するのか。イニスの父は、ゲイカップルの1人を「同性愛者だから」という理由のみで惨殺し、その死体を9才のイニスに見せていた。それがトラウマとなっていたのだ。

結:手紙が返送され…

ジャックに宛てた手紙が返送されてくる。返送された理由は「死亡」。事故死だった。初めてジャックの家を訪れたイニスは、ジャックの両親がゲイである彼を受け入れていたことを知る。遺品として事故の時に着ていた洋服を受け取り、永遠に共にあることを誓った。

補足

死ネタなので補足しておくのですが、バッドエンドというよりビターエンドです。
なぜかというと、ジャックがイニスに「心」を遺しているから。
ジャックが生きている間、
イニスは自分以外のことをかなり蔑ろにする
自己中心的な野郎(それもあって、離婚されてしまう)。
娘に「パーティーに来てね」と
言われても「仕事がある」で
全て無下に扱っていました。

ところがジャックの死後、
娘から「結婚式に来て」と頼まれた際には
「仕事がある。
 ……だがそれは、
 他のやつにやってもらうことにしよう」
と回答します。

「バカは(大切な人が)死ななきゃ治らない」な話。

予告映像と本編の視聴はこちら

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