史上最強の攻め【BL漫画感想】やまねあやの『ファインダーシリーズ』レビュー

累計発行部数250万部、2003年から愛され続け、2021年の今も連載中の大人気作
『ファインダーシリーズ』。強気で真っすぐなフリーカメラマン・秋仁と、男前で強引な裏社会の実力者・麻見のスリリングなカップル。ジェットコースターな激しい展開にドキドキハラハラ、そしてロマンチックなシーンにはキュンッキュンになります。現在11巻まで発売されていますが(2023年2月現在)、タイトルが『ファインダーの○◯』となっていて巻数表示がありません。どこから読めばいいか迷っている方は、下の目次から「読む順番」を選んでみてくださいね。

スポンサーリンク

やまねあやの『ファインダーシリーズ』 作品紹介

著者

やまねあやの

レーベル

ビーボーイコミックス

あらすじ

フリーカメラマン・秋仁は、
裏社会の美しき実力者・麻見の手に
堕ちる……!! 
監禁され身も心も奪いつくされた
秋仁の運命は──!?

やまねあやの『ファインダーシリーズ』 読む順番

  1. ファインダーの標的
  2. ファインダーの檻
  3. ファインダーの隻翼
  4. ファインダーの虜囚
  5. ファインダーの真実
  6. ファインダーの熱情
  7. ファインダーの渇望
  8. ファインダーの密約
  9. ファインダーの鼓動
  10. ファインダーの蜜月
  11. ファインダーの最果て
わたし
わたし

1〜3巻は短編集のような感じで、

「シリーズ」感が強いのですが、

4巻以降は連載作品らしい構成!

拘束具、陵辱、寝取られなど

過激な要素が満載…♡

やまねあやの『ファインダーシリーズ』 作品の雰囲気

コミカル←|―|―|―|―|●|→シリアス
物語重視←|―|―|●|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|●|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|―|●|―|→えちえち
さわやか←|―|―|―|―|●|→じめじめ
現実主義←|―|―|●|―|―|→非現実的
特殊設定←|●|―|―|―|―|→王道設定
攻の良さ←|―|●|―|―|―|→受の良さ

わたし
わたし

ヤクザやマフィアなど、

裏社会にいる男たちの話。

銃撃戦、拷問、取引など

ハードな展開が盛り沢山!

その中で繰り広げられる

甘い一時や日常が尊い…。

こんな人にオススメ!

  • 絵が綺麗なBLが読みたい!
  • ストーリーや人物設定に深みのある作品が好き!
  • 拘束・陵辱・出血OKむしろ大好物!
この作品を読む

やまねあやの
『ファインダーシリーズ』

やまねあやの『ファインダーシリーズ』 登場人物

攻め:麻見 隆一(あさみ・りゅういち)

高級クラブを何店舗も経営する、裏社会の実力者。政財界ともつながりが深い。

#黒髪 #長身 #筋肉質 #顔がいい #35歳 #店舗経営 #裏社会 #強引 #俺様 #寡黙 #執着

セリフで分かる! 麻見 隆一の人物像

  1. 「──おもしろい もう少し ボウヤで遊ぶとするか……」(引用:やまねあやの『ファインダーの標的』10ページ)
  2. 「…お前がいくらがんばったところで どうせ何も出来はしないさ 悪いがあきらめろ」(引用:やまのあやね『ファインダーの隻翼』56ページ)
  3. 「この俺以外が高羽を惑わせ変えることは許さない…」(引用:やまのあやね『ファインダーの虜囚』133ページ)
  4. 「──この俺以外にお前を満足させられるものがあるなら言ってみろ 秋仁」(引用:やまのあやね『ファインダーの渇望』145ページ)
  5. 「俺の物に手を出す前によく考えるべきだったな…大人しく手ぶらで帰って飼い主に始末してもらえ」(引用:やまのあやね『ファインダーの密約』158ページ)
  6. 「罠であろうと関係ない 今 この腕の中にいる 秋仁の体温がすべてだ」(引用:やまのあやね『ファインダーの最果て』169ページ)
わたし
わたし

実は優しいんじゃん…

って思った次の瞬間、

冷ややかな表情を見せたり

真っ黒な取引に応じたり

「やっぱり裏社会の人だ」

そう感じる言動が魅力。

本当に“最強の攻め”!

受け:高羽 秋仁(たかば・あきひと)

フリーのカメラマン。ある代議士のスクープをきっかけに、麻見と出会う。

#茶髪 #中背 #細身 #かわいい #23歳 #カメラマン #ツンデレ #ワンコ #強気 #情に厚い

セリフで分かる! 高羽 秋仁の人物像

各巻から一言ピックアップ!

  1. 「でもこれくらいで こりてたら 報道で食ってけないからな…」(引用:やまねあやの『ファインダーの標的』8ページ)
  2. 「損とか得とかいちいち考えて行動してないよ」(『ファインダーの虜囚』83ページ)
  3. 「あいさんにケガがなくて良かったです」(『ファインダーの熱情』52ページ)
  4. 「──そんなの許せない…麻見は俺のモノだ──」(『ファインダーの密約』108ページ)
  5. 「オ…オレが麻見を守らないと…」(『ファインダーの鼓動』153ページ)
  6. 「───行くよ ついてく…! 地獄でも どこでも…!」(引用:やまのあやね『ファインダーの蜜月』157ページ)
わたし
わたし

やんちゃで怖いもの知らず、

そして情に厚いので

裏社会の人々にまで同情。

23歳でありながら

「17くらいだろう」

と敵に言われる

童顔と純真さがかわいい!

攻めと受けの関係性

年齢:攻 > 受
身長:攻 > 受
体格:攻 > 受
階級:攻 > 受
立場:攻 ≧ 受

この作品を読む

やまねあやの
『ファインダーシリーズ』

このキャラも重要!

わたし
わたし

メインキャラの他にも、

こんな魅力的なキャラが

登場しますよー!

刘 飛龍(りゅう・ふぇいろん)

アジアを拠点とする巨大麻薬シンジケート、香港マフィア・白蛇のトップ。

※若い頃、麻見と寝たことがある。
※秋仁を監禁し、陵辱したことがある。
※ミハイルとセックスをしたことがある。麻見に惹かれていたが、今は…?

ミハイル=アルバトフ

ロシアンマフィアのトップ。かつてカジノ利権をめぐり、麻見や飛龍と対立した。

※飛龍とセックスをしたことがある。飛龍が好き。

須藤 修(すどう・しゅう)

麻見が所有する会員制高級クラブのマネージャー。モデル経験のある美青年。

※秋仁を拘束し、犯したことがある。麻見に歪んだ感情を持っている。

坂崎(さかざき)

歌舞伎町で何軒ものホストクラブを経営するオーナー。ヒゲメガネ。

※情報提供のお礼代として、秋仁にフェラチオされたことがある。

わたし
わたし

これほど

穴兄弟と穴親族が

多い上に

明確な作品は稀…!

(モブや元カレなどは

 でてくること

 ありますが)

やまねあやの『ファインダーシリーズ』 各巻あらすじ

1巻(ファインダーの標的)

フリーカメラマン・秋仁は、
裏社会の決定的瞬間を捕らえては
警察へ売っていた。
今度のターゲットは、
高級クラブを多数経営する
裏社会の実力者・麻見だ。

しかし、手を出した相手が悪かった。
監禁され、身も心も奪いつくされた
秋仁の運命は……!?

この会話にキュン♡

お前…

俺に抱かれるかも

しれないと

思ってるな?

……!

だっ

誰がっ…!

引用:やまねあやの『ファインダーの標的』173ページ、リブレ、2002年

この作品を読む

やまねあやの
『ファインダーの標的』

2巻(ファインダーの檻)

秋仁は懲りずに麻見を追っていた。

高級クラブに潜入し、
モニタールームで
色々な部屋を眺めていると、
いつも写真を売っている刑事が
怪しい取引を始める。

罠にはまった秋仁を救ったのは、
麻見だった。

一方そのころ、香港では
飛龍という中国マフィアの男
過去に想いを馳せていた。
7年前、麻見と出会い
宿敵となったことを──

この会話が尊い!

なんでも…

なんでも

思い通りに

なると思うなよ…っ

───

思い通りに

ならないから

いいんだろうが

引用:やまねあやの『ファインダーの檻』27ページ、リブレ、2004年

3巻(ファインダーの隻翼)

飛龍は、麻見の弱みが
秋仁であることを知る。

秋仁の友人たちを人質に、
麻見から情報を
探ってくるよう命令。

麻見は助ける義理などないと、
秋仁を突き放すような
言い方をするが、最終的には
不器用なカタチで
力を貸してくれた。

その結果、麻見と飛龍の銃撃戦となり、
ふたりとも重傷を負ってしまい……。

この会話が甘い♡

うっ

ぬ…抜く…な…よっ…

そうだ それでいい

オレの可愛い秋仁──…

引用:やまねあやの『ファインダーの隻翼』37ページ、リブレ、2005年

4巻(ファインダーの虜囚)

飛龍によって香港にさらわれた秋仁
知らない間に身体に刻まれたタトゥーは、
飛龍の所有物である証だった。

マフィアらしい脅し文句を言う飛龍に
従うしかない秋仁は、
監禁され、陵辱される日々を送る。

麻見は秋仁を取り戻すため、
刺客を送り込み、状況を伺いながら
飛龍との取引に応じることにした。

飛龍は正式に取引することを考えていたが、
部下の一部が暴走し、
秋仁を拉致してしまう。

この会話に萌えるっ

……

じゃあ

どうして

欲しいんだ?

………

…あんた

オレのこと

本当は

どー思ってん

だよ……

引用:やまねあやの『ファインダーの虜囚』170ページ、リブレ、2007年

5巻(ファインダーの真実)

攫われた秋仁を取り戻すため、
全てを犠牲にする覚悟の麻見。
秋仁に愛おしさを感じ始めた飛龍
そして蠢くロシアンマフィア──

3人の男が火花を散らす中、
ただひたすらに麻見を思う
秋仁の運命は……!?

この会話がエロい!!

アンタが 

今すぐ 

欲しい… 

夢じゃないって 

感じさせて 

くれよ…

麻見…っ

震えが止まるまで 

抱いてやるよ

引用:やまねあやの『ファインダーの真実』166ページ、リブレ、2009年

6巻(ファインダーの熱情)

香港での囚われの日々から
麻見と共に帰国した秋仁。

麻見の元を逃げ出した秋仁だったが
ストーカー事件に巻き込まれ、
改めて麻見の裏の顔を目の当たりにする。

スクープか麻見か──
近付くべきではなかった男に
惹かれる自分を認められない秋仁は…!?

この会話がエモい…

オ…オレは 

アンタの味方には 

ならない…っっ 

ゼッタイに…っ

──でも 

このオレから 

離れても行かない

だろう…? 

絶対に

引用:やまねあやの『ファインダーの熱情』103ページ、リブレ、2011年

7巻(ファインダーの渇望)

麻見の部屋に転がり込んだ秋仁
カンペキに主夫業を勤め上げつつ、
カメラマンとして時には身体を張り、
時には警察に追われながらも
キャリアを重ねつつあった。

しかしスクープを狙っていたある晩、
見知らぬ男が麻見に泣きすがる
ただごとではない場面を目撃! 
それが新たな事件の幕開けとなり──!?

この会話がカワイイ

夜9時に 

定時連絡

…わかったよ 

すっから

引用:やまねあやの『ファインダーの渇望』168ページ、リブレ、2013年

8巻(ファインダーの密約)

麻見の依頼を受け、
麻見を裏切った部下・須藤を追う秋仁。

しかし逆に須藤に拘束され、
ナイフを突きつけられる! 

須藤は麻見への想いをつのらせ、
殺したいと願うほど執着していたのだ。

更に麻見の持つ利権を狙う
敵が現れ──!?

この会話にドキドキ!

───

オレから離れるな 

秋仁…! 

う… 

うん…っ

引用:やまねあやの『ファインダーの密約』129ページ、リブレ、2016年

9巻(ファインダーの鼓動)

謎の刺客の襲撃から数か月、
秋仁は山奥の寺で匿われていた。

麻見の身を案じる秋仁は
脱走を図るが、
僧侶・道寛に連れ戻されてしまう。

秋仁の気持ちと覚悟を察した道寛は、
秋仁に護身術や銃の扱いを教える

一方、麻見は組織を守るため
世界中を飛び回っていた。
香港に降り立つ麻見を迎えるのは、
因縁のライバル・飛龍だった……!

この会話が切ない

──秋仁…

お前が側にいると 

俺は自分の身を 

守れない 

俺のために 

今は大人しく 

していてくれ 

そ…そっか… 

わかったよ 

オレだってアンタの 

邪魔しようなんて 

思ってないし…

引用:やまねあやの『ファインダーの鼓動』66ページ、リブレ、2018年

10巻(ファインダーの蜜月)

日本を離れた麻見を追って
香港に渡った秋仁。

数か月ぶりに念願の再会を果たした直後、
二人を乗せたヘリは墜落してしまう…!!

不時着した二人が意識を取り戻すと、
そこは無人島だった!

砂浜で、
湖の中で、
大自然の中で、

現実を忘れるかのように体を重ね、
想いを告げるのだが…!?

この会話にウットリ♡

──俺はもう 

お前を二度と手離さない 

だからお前も 

俺から離れるな 

秋仁 

さ…

最初から 

そう言えば 

良かったんだよ 

バカ…

引用:やまねあやの『ファインダーの蜜月』84ページ、リブレ、2019年

11巻(ファインダーの最果て)

ついに最大の敵と対決
することになった麻見。

待っていろと言われていた
秋仁だったが、
大人しく待つ、
なんて到底していられるはずもなく……

この会話にクスッ

あっ 

スイマセン 

黒糖タピオカミルク 

2つください 

ハイ 

麻見の分! 

……!?

何か沈んでいる…

カエルのたまごか?

引用:やまねあやの『ファインダーの最果て』164ページ、リブレ、2021年

やまねあやの『ファインダーシリーズ』 感想

以下は 11巻まで の感想です。

どうして拘束具が好きなのに読んでいなかったんだろう。買わなかった時間、もったいなさすぎ。
存在を知ったときには8〜9巻くらい出ていて、「まとめ買いするには結構な巻数だな〜」と悩んでいたのですが、キャンペーンで破格の値段になっていたので購入したら…! いや〜もっと早めに知りたかった。

第1話は「SM」がテーマで書かれた短編だったようです。拘束具にスパンキングと嬉しい要素が盛り沢山。よかった。このときは連載予定がなく、2巻まではテーマを与えられた「短編」シリーズの形で描かれているものが多いです。キャラクターは統一されているけれど、短編のシリーズもの。つまりストーリーよりもフェティシズムやシチュエーション萌えな要素が強め。3巻以降は色んな人物たちへと話が広がっていきます。4巻になると、いよいよ1冊まるごと「連載」となるので、かなり濃厚な物語へ発展します。

作品の順番としては、標的、檻、隻翼、虜囚、真実、熱情、渇望、密約、鼓動、蜜月、最果て。
でも個人的にオススメな読み方があります。無料配信されている『のぞきみファインダー』を読んで、「ファインダーの標的」が好きだったら1巻(標的)から順番よく。「ネイキッド・トゥルース」が好きだったら3巻(隻翼)から読み、6巻(熱情)に入る前に1〜2巻に行ってみるかたち。
というのも、上に書いた通り、1〜2巻はシチュエーション萌えな短編集だからです。濃厚なストーリーを求めている方だと「思ったのと違う」となるかもしれません。

これほど穴兄弟と棒兄弟のいる作品もなかなかに珍しいですよね。顔が見えないモブとかはいますけど、全員メイン級に物語へと関わってくる。あいつにとっては攻めでもこいつにとっては受け。なんておいしいんだ。

そして絵がとても美しく、今も昔も時代に合っていてスゴイ。長年連載されている漫画って、絵柄がどこか懐かしい感じになることもあると思うんですが、常に洗練されているんですよ〜! でも途中でガラッと変わるわけじゃなく、気づいたら…という感じ。読んでいて自然で気持ちいい。

長編のBL漫画を読みたいな〜と思っている方、とくにスリリングでドラマチックな展開を求めている方にはかなりオススメな作品です。ぜひ!

この作品を読む

やまねあやの
『ファインダーの標的』