ヤンキー×ヤンキー【BL漫画感想】トビワシオ『河川敷ロミジュリ抗争曲』レビュー

天然マイペースヤンキー
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男前さわやかヤンキー

作品名
河川敷ロミジュリ抗争曲 
作者名
トビワシオ 
レーベル
DAISY COMICS 
同時収録
つばぜり愛
(肉体派バリタチVS頭脳派バリタチのリバ)

犬頭高校に通う二年生・日木屋樹里の日課は、河川敷にいる愛想のない猫の飯やり。今日も飯を片手に、いつもの場所に向かうがそこには猫と戯れる先客が。猿戸高校の二年生だという彼・田門ひろみは、無邪気な笑顔で話しかけてくれるが、その瞬間樹里は恋に落ちてしまった。けれど実は犬頭高校と猿戸高校は、喧嘩っ早い生徒が通う高校で代々続く対立校。それぞれの大将を筆頭に火花を散らしており、その関係はまさに犬猿の仲。ちょっとした行き違いで、ひろみに“同学”と偽ってしまった樹里は、自分の身分を明かせぬまま、日々募る想いに身を任せ溢れ滾る感情を彼にアピるが…!??

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作品の雰囲気

コミカル←|―|―|●|―|―|→シリアス
物語重視←|―|―|●|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|●|―|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|●|―|―|→えちえち
さわやか←|―|―|●|―|―|→じめじめ
現実主義←|―|●|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|―|―|●|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

攻め情報

日木屋 樹里
 #金髪 #長身 #筋肉質 #17歳 #高校生 #ヤンキー #長男 #妹二人 #天然 #マイペース #正直 #無表情 #寡黙 #健気

「熱くなれるものないかって聞いたじゃん 今日知り合った奴がそれかも」(25ページ)
「それ 一目惚れ ひろみに一目惚れしました」(39ページ)
「…昔うち猫飼ってて ソイツも病気で歩き方変になってたから 思い出してちょっと 怖くなっちまって」(58ページ)
「なんとなく…恋人にはかっこいいって思われたいじゃん 男の子なので」(73ページ)
「ひろみが好きなのは ほんと 嘘じゃない 嘘じゃないから」(106ページ)
「でも俺諦めらんないっつーか…性懲りもなくアタックすると思う…」(137ページ)

出典:トビワシオ『河川敷ロミジュリ抗争曲』(三交社、2020年)

受け情報

田門 ひろみ
 #黒髪 #中背 #筋肉質 #17歳 #高校生 #ヤンキー #男前 #忠誠 #さわやか #面倒見がいい #ほだされ

「飯食ってるみたいだし 俺以外にも 気にしてる奴 いるんだなーって 思ってたんだよ なあほら! 来いよ」(17ページ)
「まあ どんな野郎が来ても 俺 負けねえんで」(30ページ)
「アンタに出会えてほんとラッキーですよ」(52ページ)
「サンキュ〜 出来た彼氏じゃん」(96ページ)
「俺はうちの大将を裏切るようなマネしたくねえ」(107ページ)
「しゃーねえな お前がカワイーから、譲ってやんよ」(144ページ)

出典:トビワシオ『河川敷ロミジュリ抗争曲』(三交社、2020年)

攻めと受けの比較

年齢:攻=受
身長:攻>受
体格:攻=受
階級:攻=受
立場:攻=受

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トビワシオ
河川敷ロミジュリ抗争曲

あらすじ

犬頭高校と猿戸高校は
代々続くライバル校。
樹里(攻)は
犬頭高校に通っており、
そこのナンバー2だ。

樹里は高校のそばにある
河川敷で暮らしている
野良猫に餌づけしている。
いつものように
猫の元へ行くと、
自分があげた覚えのない
煮干が転がっていた。

俺の他にも誰かいんの?

数日後。
河川敷へ行くと、
煮干を持ったひろみ(受)が
猫を抱いていた。

樹里の猫缶を見て、
人なつこく話しかけてくる。
着ている制服は
猿戸高校のものだった。

揉め事を起こしたくない、
そう考えた樹里が
必要最低限の
やりとりをした結果、
同じ高校だと
勘違いされてしまう。
訂正するタイミングも逃し、
猫に関する会話をしていると
ひろみが猫に「ボス」と
名前をつけていることを知る。

ボスにゃ

猫の前足を持ち、
自己紹介させるひろみの
愛らしさに一目惚れした樹里。

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トビワシオ
河川敷ロミジュリ抗争曲

樹里はひろみに告白。

出会って間もないこともあり、
戸惑うひろみ。
返事は急がないと声をかけ、
その日は解散。

翌日、河川敷に行くと
ひろみがボスに構っていた。
告白のこともあり、
避けられるだろうと
思っていた樹里は意外に思う。

人の好意は無下に

出来ねーだろ

その言葉で惚れ直す樹里。
それからも河川敷で遊び、
二人の距離は近づいてゆく。

ある日、ボスの体調が急変。
病院へ駆け込むと、
ただ水を飲み過ぎただけで
大したことはなかった。

心配した樹里が泣き出す姿に
ときめいたひろみは、
交際を決める。

順調に恋人らしくなってゆく
樹里とひろみだったが、
犬頭高校と猿戸高校の
決戦が差し迫っていた。

ひろみは未だに樹里が
猿戸高校生だと
思い込んだまま。

そろそろ誤解

解いときてえな

どう伝えるか
樹里が迷っていると、
最悪の形でひろみが
知ってしまう。

一方的に別れ話をされ、
河川敷に行く時間もずらされ、
取りつく島もない。

一言も話せないまま、
決戦の日が到来。

そこへ忍び寄る、
二つの黒い影が…。
彼らはひろみを脅し、
手を出さないように命令。

そこには人質として、ボスが捕獲されていて──

結末はコミックスで!

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トビワシオ
河川敷ロミジュリ抗争曲

感想

買わず嫌い、ダメ、絶対。
でした……良い一冊でした。

どうして買わず嫌いを
していたかというと、
どうしても『A3!』の
万里と十座にしか
見えなかったからです…。
ビジュアル、
ヤンキー設定、
ロミジュリ、というのが
彼らを連想させるので、
うーん、となってしまって。

でもトビワシオ先生の
作品はこれまでずっと面白いし
何よりブサ猫が気になっていたので
購入してみたら、良かった……。
迷わず買えば良かったんや……。

めくってすぐに万里っぽさが
なくなります。表紙だけだった。

樹里が恋に落ちる瞬間が好き。
まさに「ビビッと来た!」な
表情で、読んでいる側もすぐに
「落ちたな」と分かります。
ひろみの「ボスにゃ」は
可愛すぎるので一目惚れしても
仕方ないですね…。

そして体毛フェチ族の
自分に嬉しい すね毛…!
ひろみのすね毛の描き方が
リアルで好きです。
スラックス履いてると
そこ薄くなるんだよね、
ってところがちゃんと薄くて。

二人が仲良くなってゆく
シーンが見開きで
描かれているところがあって、
そこも微笑ましくて素敵でした。
一緒に肩寄せて少年誌を読んだり、
ボスにおいしい猫缶買ったり、
水切り(石投げて跳ねさせるやつ)したり。
古き良きヤンキーはロマン。

同時収録作も最高!
リバ好きな人はぜひ。
肉体派タチ専×頭脳派タチ専で
同じ夜に一回戦ずつします。

リバも体毛も大好きなので
「いいぞもっとやれ」
ってなりました。
私と同士の方にオススメです。

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トビワシオ
河川敷ロミジュリ抗争曲