素直で真っ直ぐな大学生・豪(攻め)が
死を匂わせる美人な幼馴染・幸彦(受け)と
肉体関係を持ち…というところから
始まるストーリーです。
1950年代後半〜60年代にかけての
昭和の古き良き雰囲気と、
スイカや花火などの夏らしい風景、
幼馴染の持つ特別感が合わさり、
郷愁を感じさせる素敵な1冊です。
オススメしたい人は…
- 「黒髪短髪の正直で硬派な攻め」が好きな人
- 「病弱で美人な皮肉屋受け」が好きな人
- 「幼馴染との焦れったい恋愛」に萌える人
- 「近現代の時代もの」を求めている人
「真夏の鼓動」 あらすじ
激動の昭和時代。
幼馴染の豪と幸彦は肉体関係を結んでいた。
肺病で死ぬと冗談混じりに言う幸彦が、
死ぬ前に試したいこととして始まった関係だ。
豪は幸彦の態度にいつも戸惑うばかりだったが、
ある日幸彦が血を吐き入院したことで、
豪の気持ちにも変化が訪れ――…?
「真夏の鼓動」 作品の雰囲気
作品の傾向
コミカル←|―|―|―|―|●|→シリアス
さわやか←|―|―|●|―|―|→じめじめ
物語重視←|―|―|●|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|―|●|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|●|―|―|→えちえち
現実主義←|●|―|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|―|―|●|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ
ヘヴィー度チェック
身体虐待……………………………なし
精神虐待……………………………なし
自傷行為……………………………なし
流血表現……………………………あり
内臓描写……………………………なし
近親相姦……………………………なし
モブ強姦……………………………なし
主役の死……………………………なし
「真夏の鼓動」 攻め×受け情報まとめ
攻め:豪(ごう)
#黒髪 #短髪 #長身 #細身 #大学生(〜会社員) #素直 #気づかい #衝動的 #硬派 #男前
でも会えてよかった すごいな 運命だ
引用元:佐藤アキヒト『真夏の鼓動』80ページ、コアマガジン、2021年
……おばさん あの…幸彦は…元…いや 苦しんでいませんか
引用元:佐藤アキヒト『真夏の鼓動』45ページ、コアマガジン、2021年
受け:幸彦(ゆきひこ)
#茶髪 #長髪 #中背 #華奢 #小説家 #病弱 #あまのじゃく #皮肉屋 #健気 #ロマンチスト
親父は大丈夫だと言われて 結局 呆気なく死んだ 死とは勝手なものだ
引用元:佐藤アキヒト『真夏の鼓動』20ページ、コアマガジン、2021年
この手を 以前より痩せた胸を 細くなった腕を 身体を ──見られたくない
引用元:佐藤アキヒト『真夏の鼓動』68ページ、コアマガジン、2021年
攻めと受けの日常会話

お前は
黙っていれば
イギリスの
王子みたい
なのにな

イギリス?
王子?
俺が?

ああでも
口が
悪すぎる

はっ
そんな風に
見えてるのか
ははは
はっは
あはははは
引用元:佐藤アキヒト『真夏の鼓動』31ページ、コアマガジン、2021年
攻めと受けの甘い会話

……
手術の後の
お前の告白を
俺は一生
忘れないだろうな

意地悪め
引用元:佐藤アキヒト『真夏の鼓動』99-100ページ、コアマガジン、2021年
攻めと受けのH会話

男なんだから
ちょっとや
そっとじゃ壊れない
もっと
…激しく
お前の
欲望が欲しい

…言ったな
耐えろよ
引用元:佐藤アキヒト『真夏の鼓動』132-133ページ、コアマガジン、2021年
攻めと受けの比較
年齢:攻め = 受け
身長:攻め > 受け
体格:攻め > 受け
立場:攻め = 受け
階級:攻め = 受け
「真夏の鼓動」 3つのおすすめポイント
おすすめポイント1:きちんとハッピーエンド
あらすじで並んでいるキーワード「昭和」「肺病で死ぬと冗談混じりに言う」「血を吐き入院したことで」「気持ちにも変化」から、バッドエンドやビターエンドになるのでは……と恐れている方に朗報をお届けします。こちらの作品、文句のつけようがないほどハッピーエンドです! 途中はハラハラと肝が冷える思いですが、最後はじんわりと心が温まる、良いエンディング。
おすすめポイント2:古き良き昭和の空気感
1950年代後半〜60年代ごろにかけての、学生運動の高まりや高度経済成長が見える舞台設定です。蔵書に三島由紀夫の男色小説が並び、「シュプレヒコール」や「結核」などの単語が舞い、ヘルメットに角材の学生たちが集う時代。そこから少し時が経ち、スーツに身を包み、同僚と共に電車で仕事へ向かう日常。現代にないノスタルジックな雰囲気が素敵です。
おすすめポイント3:周囲の人物たちが良い
主に幸彦(受け)の母と、豪(攻め)の同級生のふたり。とくに幸彦と母のやりとりで好きなシーンがあって、69〜71ページのにある言葉の流れと一連の動作が素敵です。生きているからこそ、やらねばならぬことがあることを教えてくれる、とても素晴らしい母親。
豪の同級生は、同性愛について「男に好かれる男もいるものだ」と、さらりと受け流してくれます。他にも、人物たちの表情や単語からいろんな見方ができるので、読み終わったあとにじんわりと残る1冊です。
2021年7月2日追記
本のどこにも書いてなかったのですが、こちらスピンオフ作品とのことです。豪の同級生が描かれた『花に嵐』という作品があります。
こちらを拝読していなくても問題なく理解できます。というより、言われないと気づかなかったです(笑)。時代背景は同じなので、雰囲気が気になった方は合わせてご覧ください。
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