雑誌名 | CRAFT |
巻・号 | Vol.94 |
出版社 | 大洋図書 |
価格 | 300円+税 |
「あてない処に君あらば」第1話 あらすじ
攻め:佐伯(専門学校の広報職員。赴任して間もなく恋に落ち数ヶ月経つ。ゲイ?)
受け:高嶋(佐伯の先輩。明るくて見た目も良いため女性からモテる。ノンケ?)
ほか:??(高嶋にとって大事な相手。しかし「遠くへいってしまった」らしい)
彼がその先にどんな言葉をつなげようと そばにいたい 何度でもそう思う
引用元:ほど「あてない処に君あらば」、『CRAFT』Vol.94、2021 年 月、5頁
勤めていた会社が倒産し、新たな職場で働き始めた佐伯。
数ヶ月が経ち、今では仕事にも慣れてきた。
先輩・高嶋の支えがあったからだ。
初期のころは、不慣れな業務に戸惑ってばかりだった。
そんなとき、優しい笑顔で声をかけてくれた。

佐伯には──
俺がいるから大丈夫だよ
このことがキッカケで、佐伯は恋に落ちる。
叶わないと知りながらも、目線は高嶋を追ってしまう。
しかしそんな彼には、あるウワサがあった。
二年ほど前、誰彼かまわず交際をしていた時期があったと言う。
「大事な人が遠くに行った」ことが原因らしい。
そのことを知っても、佐伯の気持ちは変わらない。
むしろ誰かの代わりでも近くにいられたことを羨ましいとさえ感じた。
ある日、佐伯と高嶋は二人で出張へ行くことになる。
仕事は無事に終わり、地元の居酒屋で打ち上げをしていた。
酒が入っていることもあり、高嶋はいつにも増して笑顔が多い。

笑ってる…
もっと笑っててほしい…
笑っている高嶋を眺めながら、佐伯は以前ふたりで呑んだことを思い出していた。
そのとき、酔った勢いで「男に惚れている」ことを告白していたのだ。
高嶋であることは言わなかったものの、それ以来は飲まないようにしている。
店を出ようとしたところで、佐伯はホテルの手配をしていなかったことに気づく。
外は雪が降っており、どこの宿泊所も満室だ。
素面の佐伯に運転を任せ、社用車で休みながら帰ることにした。
駐車場まで向かう途中、高嶋の前髪に雪が降りかかった。
佐伯が指先で払おうとすると、一瞬だけ意味深な表情を見せる。
どこか悲しげな瞳が気になった佐伯だが、聞けないまま車へ乗り込んだ。
助手席で外の景色を眺めていた高嶋が、「いっこだけ泊まれるとこ知ってるかも」と案内を始める。
そうして辿り着いたのは、なんとラブホテルで……!?
続きは本編をご覧ください♪
ストーリーのここがポイント
ここは絵を見るべきポイント
『あてない処に君あらば』第1話の感想レビュー
切ない雰囲気がステキな、引き込まれる第1話です。攻めは幸せなんだけど、読者は不穏な気配を察してしまう……! 様々な時系列が交差して語られていくタイプの構成なので、徐々にピースがハマっていく快感が得られる物語なんじゃないでしょうか。少しミステリチックで、ほの暗い感じ。叙述トリック的なセリフも魅力的ですね。受けの意味深なセリフに主語がなかったり、どちらつかずな返答だったり。一見、接しやすい陽キャなのに、一挙一動に含みがあります。受け・高嶋の「大事な人」とはいったいどんな人物なのか、第2話以降も気になります。