家バトルとラブラブ【BLマンガ感想】木下けい子『京極家の蜜月』レビュー

この記事は…
  • 雑誌「CRAFT」に掲載されている「京極家の蜜月」第1話(著:木下けい子)の感想をまとめたものです。
  • この話は、単行本(コミックス版)第1巻に収録される予定です(シリーズでは3巻目です。順番は『京極家の結婚』『京極家の初夜』『京極家の蜜月』)。
  • 文字のみの情報となっておりますが、ネタバレにご注意ください。
掲載誌はコレ!

雑誌名CRAFT
巻・号Vol.95
出版社大洋図書
価格300円+税
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「京極家の蜜月」第1話あらすじ

登場人物

攻め:京極尊(両親が俳優の美形。バツイチ。家事が得意。現在は誠志郎と結婚している)
受け:京極誠志郎(政治家の家系で秘書。基本可愛らしいが、ここぞというときほど男前)
ほか:礼央(誠志郎の父の隠し子。尊の子供として、幼稚園に通い始めた男の子)

あの高飛車な女優に思いしらせてやりましょう
家族の絆、をね

引用元:木下けい子「京極家の蜜月」、『CRAFT』Vol.95、2022 年 1月、60-61頁

幼少期の尊の記憶。
彼はいつも、女優である母の引き立て役になっていた。
家に人々が集まったときは特にそうだ。
最初こそ構われるものの、最後は皆、母しか見ない。

時は流れ、現在。
尊は誠志郎と、礼央の運動会を見にきていた。
笑顔でゴールテープを切る姿をカメラに収める。
三人でカラアゲを頬張り、楽しい時間を過ごした。

家に帰る途中、誠志郎に電話がかかってくる。
相手は誠志郎の父だ。
「事件だ」と呼び出され、事務所に駆けつけた。
するとそこには、誠志郎の母・芳子がいた。
礼央の運動会を知らされていないことに拗ねている

夫と不倫相手の子に会わせないよう、周りが気を遣っていたのだ。
しかし今は誠志郎と尊の「子」であり、彼女にとっては「孫」にあたる。
世間から「孫の運動会にも行かない鬼姑」と思われることを懸念していた。

母を宥めているところに、思わぬ来客が入る。
尊の母で女優の松田由貴だ。

今回の結婚で、マスコミからしつこく問われ迷惑しているらしい。
女優はイメージが売り物で、妙な印象がつくと困る。
政治の力で何とかしてほしいと打診にやって来たのだ。

息子の結婚を祝うどころか煩わしそうにする由貴。

尊のことはかわいいし大事だけれど
 私は私が一番大事 あの子は二番

同じことを幼少期の尊にも伝えたことがあると言う。
それを耳にした誠志郎は反論。

誠志郎
誠志郎

もしそうなら
子供の尊が
かわいそうだ

説教の気配に嫌気がさしたのか、由貴は帰って行った。
扉が閉まったあと、芳子はワナワナと震え出す。
そして見返してやると誠志郎に約束をした。
そのためには尊の協力が必要となる。

誠志郎が自宅へ戻ると、尊と礼央が運動会の録画を見ていた。
言いづらそうに言葉を濁しながらも、尊に話しかけた。
婦人会の天然酵母でパンを作る会
それに参加してほしいと、母から言われたことを告げる。

尊

いいぜ
旦那様のために
がんばってくるよ

快く応じた尊。
誠志郎の頬にキスをして、「先に風呂入んな」と“合図”をした。
ベッドへ向かったふたりは──

続きは本編をご覧ください♡

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ストーリーのここがポイント

  • 攻め・尊の母 VS 受け・誠志郎の母
  • 尊、誠志郎の母とパン作りをすることに!
  • お家に帰ればラブラブ&癒しの時間♡

ここは絵を見るべきポイント

  • 母2人の“強さ”が滲み出ているシーン
  • 「…あっ」の誠志郎のエロすぎる表情
  • 「(本当に かわいい男)」の尊の慈愛に満ちた顔

『京極家の蜜月』単行本情報

2022年10月7日発売

法務大臣の父親を持つ政治家秘書の京極誠志郎の夫は、有名俳優の両親を持つ京極 尊だ。偽装結婚から始まったふたりだが、愛を育みつつ、誠志郎の異母弟の礼央と三人、仲良く暮らしている。尊の母親と誠志郎の母親が剣呑になったり、尊が共民党婦人会の妖精たちの洗礼を受けたりしつつも、順調な毎日だった。けれど、あることをきっかけに誠志郎の中に尊への疑いが生まれてしまい……家族、友人、夫婦、夫夫──愛の形とは?

「京極家の蜜月」第1話の感想レビュー

誠志郎の母も尊の母も、ベクトルは違えど毒親ですね……! 誠志郎の母・芳子はメソメソ系というか、自分の思い通りにならなかったとき「どうしてそんな意地悪するの?」と涙ながらに訴えるタイプ。対する尊の母・由貴は「私がやりたいようにやって何が悪いの?」と我が強いタイプ。幼少期から、そんな母に我慢してきた二人だからこそできた偽装結婚だなと改めて思いました。個人的に芳子さんのほうがタチ悪いな〜という印象です。第1巻(京極家の結婚)で礼央くんが「せーしろーのババァ(中略)オレむししたし」と言っていたのに掌返しがえげつない。母VS母は見ていて胃がキリキリします。

タイトルの通り「蜜月」で、おうちでは甘くて最高なんですよ。誠志郎が可愛い。ウブで奥ゆかしいのが良いですね。木下けい子先生の黒髪受けは純情なところがたまりません。表情も艶があって滾るものがあるので、ぜひCRAFT本誌またはコミックスでご覧ください。

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