夢を追いかける【BL漫画感想】紺しょーた『恋を描けば色が咲く』レビュー

ドライなコミュ強男子 × 一途な努力家男子

作品名
恋を描けば色が咲く
作者名
紺しょーた
レーベル
アイズコミックス.Bloom

彼女にフられたばかりの大学生・龍二は、飲み会で同級生のレオと出会う。親しくないはずの自分をじっと見つめてくるレオが気になり、酔った彼を家まで送り届けることに。家に着いたレオは「なんで辞めたんだ、サッカー」と、龍二の中学生の頃を知っているような、意味深な言葉を告げて眠ってしまう。
とある事情で夢を諦めた龍二と、諦めず美術の道を進むレオ。ふたりが出会い、寄り添い、恋をしていく──…。

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傾向チャート

コミカル←|―|―|●|―|―|→シリアス
物語重視←|―|―|●|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|―|●|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|●|―|―|→えちえち
さわやか←|―|●|―|―|―|→じめじめ
現実主義←|●|―|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|―|―|●|―|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

攻め情報

本城 龍二
#黒髪 #中背 #細身 #泣きボクロ #顔がいい #大学生 #元サッカー部 #次男 #兄 #弟 #明るい #素直 #フレンドリー #男前 #ドライ

「別れたいって言われたら 諦めるしかなくない…?」(12ページ)
「レオって 笑うとめっちゃかわいいね」(56ページ)
「だって自分の気持ちなんて一番ごまかせないから 認めるしかないじゃん?」(104ページ)
「いって……っ ごめんねウソだよ つかまえた」(128ページ)
「エッチはお互い楽しくて気持ちよくないと意味ないし〜レオが痛いのやだよ」(161ページ)

出典:紺しょーた『恋を描けば色が咲く』(集英社、2020年)

受け情報

一ノ瀬 獅
#茶髪 #長身 #細身 #イケメン #大学生 #長男 #姉 #寡黙 #内向的 #慎重派 #負けず嫌い #努力家 #一途 #真面目 #健気

「…別に茶化さなくていーよ 好きだからこそダメだったんだろ」(51ページ)
「冷凍庫にアイスあるよ 龍二用」(59ページ)
「覚えてなくても 俺に向けた言葉じゃなくても …うれしかったよ すごく……」(148ページ)
「…俺 お前がそばにいてくれて本当に嬉しいよ それだけで最高の誕生日だなと思って」(195ページ)
「龍二ならできるよ」(207ページ)

出典:紺しょーた『恋を描けば色が咲く』(集英社、2020年)

攻めと受けの比較

年齢:攻 = 受
身長:攻 > 受
体格:攻 = 受
階級:攻 ≧ 受
立場:攻 = 受

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紺しょーた
『恋を描けば色が咲く』

あらすじ

大学生活を謳歌している
龍二(攻)。

ある日、飲み会に行くと
レオ(受)から
ジッと見られていることに
気づいた。

目を合わせると、
レオは気まずそうに
酒を一気にあおって
そそくさと帰っていった。

心配になった龍二が
追いかけたところ、
居酒屋の目の前で
しゃがんでおり、
一人では帰れそうにない様子。

タクシーに乗せ、
レオの自宅を聞き出し、
なんとか家へ運ぶ。

すると、レオは
「なんで辞めたんだ サッカー」と
言い残して眠ってしまう。

龍二がサッカーをしていたことは
中学時代の同級生しか知らない。
なぜ知っているのかを疑問に思いながら、
龍二はレオの自宅で一晩過ごした。

翌朝。

とりあえず

連絡先教えて

くんない?

ああ

うん…

放課後に会う約束をして、
大学へと急ぐ。

レオから話を聞くと、
同じ中学に通っていたことが判明。
一歳年上で同級生ではなかったが、
何かと目立つ龍二を知っていたのだ。

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紺しょーた
『恋を描けば色が咲く』

龍二は膝のケガを理由に
サッカーを諦めた過去があり、
レオは色覚異状を理由に
絵を描くことを諦めた過去があった。

同じような境遇で
意気投合するふたり。

それでも、レオは
前を向いて進んでいる。
もう一度、
絵を描くことにしたのだ。

感化された龍二は、
新たにスパイクを購入。

ふたりで遊ぶようになり数ヶ月、
龍二は、自分が家に行っているせいで
レオに恋人ができないのではないかと
考え始める。

じゃ俺

ジャマじゃない?

ジャマなやつ

家に入れたり

しない

特別扱いに喜んだり、
レオが女性といる場面に嫉妬したり、
友人のゲイカップルの話を聞く中で、
龍二はレオに惹かれていることを
自覚してゆく。

決定的な出来事に
気持ちを抑え切れなくなった龍二は
レオへ告白。

答えはないものの、
家へ差し入れに行ったり、
一緒に七夕祭りへ行ったり、
友好的な関係は続く。

ところが、
レオは「付き合えない」と
龍二を拒絶。

急変した態度の理由を
問いただすと、
過去の恋愛が
トラウマになっていた。

…それって 

俺のこと

好きだから

怖いって風に

聞こえる

──っな

龍二は「今」を見て、
どうするかを決めてほしいと
やさしく諭す。

レオは素直に、
龍二が好きだという気持ちを
声に出し──

結末はコミックスで!

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紺しょーた
『恋を描けば色が咲く』

感想レビュー

それやられたら惚れてまうやろ合戦
繰り広げているので
萌えが止まらない。

龍二のさりげない行動の中で
とても好きなやつがあって、
レオのLINEアイコンと
同じキャラのLINEスタンプを買って
使いつつ「買った」って
報告してくれるところ……!

分かりやすい優しさとかではないけど
嬉しくなるやつ〜。

他にも龍二が格好良すぎるシーンが
盛りだくさんで
「こんなんされたら惚れてまうやろ」
ってなること間違いなしなので
攻めの行動重視派は読むべき。

そして「合戦」と言った通り
レオはレオでまた可愛いんだこれが。
第4話冒頭(100ページ)の
赤面はわわ顔だったり
最終話冒頭の(153ページ)の
「生き物の鼓動は
 死ぬまでに何回と
 決まっていて…」
って言いながら真っ赤な顔で
ドキドキしているところとか
照れている顔がとても可愛い。
受けの赤面が好きな人も読むべき。

萌えすぎて
泣いちゃったのが
168〜174ページの流れ。
レオの「……俺 の……」も可愛いし
龍二の「レオのだから持って帰って?」もイケメてるし
そのあとの「大事にする…」の笑顔、
なんなんだ尊いぞ、
って気づいたら
涙がこぼれてましたね。

ラスト2ページは
普通に感動で泣ける。

レオは色覚異状があって、
綺麗なものを見ても
「本当に綺麗か」が
気になってしまって、
「きれい」と
素直に言えなくなっていたんですが、
この龍二の屈託のない笑顔と
「夕焼けすっごいよ!」は
その呪縛を解き放つんですよ。

レオの目が「きれい」を
取り戻してゆく感じの描写が
美しくて素敵です。

あと描き下ろしがえろい……。

とにかくかっこいい攻めと
とにかくかわいい受けの
いちゃ甘+青春夢追い話が
好きな方に特にオススメ!

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紺しょーた
『恋を描けば色が咲く』