待望の続編【BLマンガ感想】須坂紫那『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』レビュー

ハイスペ王子×男前王子
リーマン同士の恋愛譚・続篇!

タイトル君に恋するはずがない―トキメキ篇―
作者須坂紫那
巻数1巻(シリーズものの続編)
連載状況完結済
レーベルディアプラス・コミックス
出版社新書館
紙の本発売日2021年11月1日
電子書籍発売日2021年11月1日〜

少女漫画オタクのイケメンリーマン・北大路は、同期の有馬と恋人同士。カッコよくて逞しくて可愛い有馬にメロメロで、つい夜のほうも求めすぎてしまう。さすがに自重しようとした矢先、有馬が嘘をついて北大路を避けていることを知り……!?

本日の注目作品は須坂紫那先生の『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』です!
前作『君に恋するはずがない』の続編となっているので、未読の方はぜひ1巻からどうぞ♪

今回は付き合ってからのお話ということで、糖度たっぷり♡そして同性カップルあるあるな悩みも……。王道で分かりやすく、作品のキーアイテムでもある「少女漫画」っぽい展開。癒しとキュンがほしい方にオススメなシリーズです。では早速、詳しく紹介していきます。

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登場人物紹介(攻めキャラクター)

攻め:北大路 理史(きたおおじ・りひと)

少女漫画オタクのイケメン会社員。有馬と交際している。

#茶髪 #長身 #細身 #顔がいい #28歳 #会社員 #商品企画部 
#次男 #弁護士の兄 #医者の父 #かわいいもの好き母
#オタク #無自覚 #スパダリ #上品 #ノンケ

…有馬、寝た? …さっきは言い過ぎたかも ごめん

引用元:須坂紫那『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』166ページ、新書館、2021年

千景 先輩にそう呼ばれてたろ? 今は俺が彼氏なんだから 俺がそう呼んでもいいよね? だから ねぇ 理史って呼んで 千景

引用元:須坂紫那『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』207-208ページ、新書館、2021年

登場人物紹介(受けキャラクター)

受け:有馬 千景(ありま・ちかげ)

北大路と同期の硬派な会社員。北大路と交際している。

#黒髪 #中背 #筋肉質 #美人 #28歳 #会社員 #営業部 
#長男 #漫画編集者の姉 
#慎重派 #健気 #ネガティブ #無愛想 #ゲイ

言えるわけないだろ こんなはしたないこと お前に幻滅されたくないんだよ…

引用元:須坂紫那『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』62ページ、新書館、2021年

元々北大路はノンケだし 凄くモテるし 俺なんかと付き合ってることが不自然なんです

引用元:須坂紫那『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』129ページ、新書館、2021年
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須坂紫那
『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』

あらすじ

紆余曲折ありながら、交際を始めた
北大路(攻め)と有馬(受け)。

会えば有馬を求めてしまう北大路だが、
事後に放心状態になっている姿や
腰に手を当てる様子を見て
自重しようと距離を置くようになる。

すると、時を同じくして
有馬と同居している
姉の仕事が忙しくなる。

姉をサポートするため
退社後はすぐ帰宅するように
なってしまった有馬。
平日のデートがゼロに……。

たまに会えた夜は
甘く濃密な時間を過ごすふたり。

ところが、本屋で偶然会った
有馬姉は、今は特に忙しくない
と衝撃の事実を口にする。

「俺、有馬に
 嘘つかれた…?」

なぜ嘘をついてまで
避けられている
のか
分からない北大路は
動揺を隠しきれず、
有馬の最寄駅へ。

そこにいた有馬は──
なんとジョギングをしていた!!

ますます混乱する北大路が
問いただすと、
性欲をコントロールするために
走っていたのだと言う。

互いの考えていることを
もっと伝え合おう
と提案する
北大路だが、有馬は不安を抱えていた。

「本当は俺ばかりが
 好きなんじゃないか」

そう思わずにいられないのだ。

どんなに北大路が甘い言葉をささやいても、
自信が持てない有馬。

元々ノンケでモテる北大路の隣には
女性のほうが似合う気がして
悶々としてしまう。

相談先として選んだのは
大学時代に付き合っていた
先輩の近衛このえ
だった。

大学時代の部活仲間が
結婚することになり、
余興について打ち合わせをする中で
悩みを打ち明けたのだ。

ゲイ同士、そして
ノンケを好きになったことがある者同士、
有馬と近衛には通じ合うものがある。

「そんなに不安なら
 俺ともう一度やり直してみる?」

その言葉に、有馬は──

続きはコミックスで♡

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須坂紫那
『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』

作品の雰囲気

コミカル←|―|―|●|―|―|→シリアス
さわやか←|―|●|―|―|―|→じめじめ
物語重視←|―|―|●|―|―|→人物重視
台詞重視←|―|―|●|―|―|→表情重視
けんぜん←|―|―|●|―|―|→えちえち
現実主義←|●|―|―|―|―|→非現実的
特殊設定←|―|―|―|―|●|→王道設定
攻の良さ←|―|―|●|―|―|→受の良さ

一言コメント

1巻はメインキャラの過去など「なぜそういう人物になったのか」が語られていました。2巻では「そんな2人が交際すると…」な話になっていて、より物語重視な展開になっています。キャラの魅力はそのままに、深みが増した続編!

怖いものチェック

身体虐待……………………………なし
精神虐待……………………………なし
自傷行為……………………………なし
流血表現……………………………なし
内臓描写……………………………なし
近親相姦……………………………なし
モブ強姦……………………………なし
主役の死……………………………なし
リバ表現……………………………なし

一言コメント

とにかく癒しとキュンで構成された王道な作品。痛い・怖い・リバ表現は一切ないので地雷多めな人にもオススメできるシリーズ。

感想レビュー

めくって1ページ目から攻撃力高いやつ〜! カラーイラストなんですけど、会社のエレベーターでキスの直前シーンを描いています。壁ドンする攻めとネクタイ引っ張る受けは最高ですね。この組み合わせ、間違いない。その後のカラーページもエッチ。モノクロだと修正は白線のみだけど、カラーだと白抜き+ぼかしになっちゃうんですね。

BL漫画の修正(ライトセーバー)
カラーページはエッチすぎるので白抜き

冒頭ページの話はこのくらいにして、本編について! 
このふたり、ゲイがスパダリノンケに恋をしたところから始まっている交際なので、有馬(ゲイ受け)は常に不安。1冊を通して「俺なんか」という言葉を5回以上言っています。そんなに卑下しなくても充分すぎるほど格好いいし可愛いんだけど、本人は気づいていません。北大路(ノンケ攻め)のスパダリ度が高すぎるのと、過去のトラウマで自尊心にヒビが入っちゃっているのとで二重に悩んでしまっています。

そこへやってきた近衛先輩という元カレ。良い感じに場を引っ掻き回してくれましたね〜! あらすじ的には当て馬っぽいんですけど、わりとアシストに徹しています。ほんのりと「あのままお前と付き合ってたら今とは違う未来があったのかもなー」などの匂わせセリフはありつつ、手は出さない。さらに「北大路くんはその壁を飛び越えてお前のことを選んでくれた それって物凄い勇気だよ めちゃくちゃ愛だ」と良い言葉で背中を押してくれるんですよ。こういうところが好感度高くて、レビューに「先輩も幸せにしてほしい」「先輩のスピンオフを」とコメントしている方多かったですね。わかる。

有馬がネガティブ思考に陥り先輩と過ごしている間、スパダリ北大路は二人で暮らすための部屋を探していました。どこまでもスパダリです。甘〜〜〜い! さらなる続編が出るとしたら同棲編っぽい感じですね。良き良き。 

そして迎えたラストの1コマ、鳥肌立ちました!! こういう話のリンクのさせ方、めちゃくちゃ好きです。今回のタイトル(トキメキ編)にも中盤の展開にも繋がってくる。このエモさは1冊通して読まないと味わえません。要所要所に、サブリミナル的に入ってるんですよ。なので余計に刺さりました。個人的に1巻よりも好きだったので、ぜひ読んでほしいです!

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須坂紫那
『君に恋するはずがない―トキメキ篇―』