ドラマチックな演出に欠かせない天気といえば、雨。
雨の日に読むとエモさ増し増しなBLコミックを紹介します!
傷心おひとよし公務員 × やっかい性癖ゆるふわ男子
上田アキ『オーバー・スコール』
5年間の恋が、一瞬で終わった。
断ち切れない想いを胸に抱えたまま、思い出の公園でひとりぼんやりとしていた夏朗に声をかけてきたのは、別れたばかりの恋人にどこか似ている男・梅雨彦だった。
かわいそうなのを放っておけないと半ば強引に連れ帰られ多くの言葉を交わさず、元彼を重ねて自分を抱けばいい、と梅雨彦に流される形で一時の快楽に溺れてしまう。
自分でも知らなかった一面を暴かれるようなセックスの後、再会の約束をして無邪気に微笑む梅雨彦に夏朗の中では何かが確実に変化していたが、彼はやっかいな性癖を抱えていて――。
ストーリーの展開に合わせて雨の演出が変わっていくのが見どころ。しとしとと続く梅雨空、どしゃぶりの雨、お天気雨、どれもドラマチックで美しい……!
スピンオフ作品ですが、この一冊だけでも充分に面白い作品です。スピンオフ元の作品『ワンダー・ボーダー』を知っていると見え方も変わってくるので、こちらを読んで気になった方はセット買いをしてみてください。
家事が得意な独り身ゲイ × ずっと“2番目”の男
久喜わかめ『雨のちマル』
どしゃ降りの雨の日、美容師のコタが仕事帰りの公園で拾ったのは
さみしがりやで愛され不足な[まるで大型わんこ]のマル。
酔って人違いをしたまま「捨てないで…」とずぶ濡れで
泣きすがる様子を放っておけず仕方なく家に連れて帰るが、
部屋に着くなり押し倒されてしまう。
ずっと誰かの“二番目”だった孤独なマルは、人違いをしていると気づかないまま
いつものように自らの身体で相手が喜ぶようにただ尽くそうとしていた。
――それが、マルにできる唯一の愛情表現だから。
翌朝、落ち着いたマルに朝ごはんを作ってあげるが、
行くところがなくなってしまったとぼろぼろ涙を流し出す姿を見て
コタもまた自身の抱える寂しさを重ねてしまい、
マルをしばらく家に置くことを決める――。
雨の日に大切な人と別れ、雨の日に大切な人と出会う主人公の物語。悲しい記憶を呼び起こすはずだった雨が、新たな出会いによって解消されていきます。
「過去にトラウマのある男」と「ずっと誰かの”二番目”の男」のストーリーという重たさがありつつも、イキやすい体質の黒髪長身ワンコ受けが可愛いのでエロ重視マンにもオススメです。
クラスの中心的存在 × 憧れている地味な同級生
幸田みう『十年後にあがった、あの日の雨。』
高校時代、クラスの中心にいるマサと、
それを端から眺めているのが好きだった鳴海。
学校では全く接点のないふたりだが、外では偶然に会って話す仲だった。
正反対なはずなのに、ふたりでいる時間は居心地がよかった。
だけど、あの日、初めて行ったマサの家。
────ふたりはセックスをした。
それ以来、ふたりで過ごす時間はなくなってしまった。
あの日、あの時、それぞれが見ていた景色。
十年後に繋がる想い、同級生再会ラブストーリー。
雨の日にあったことがキッカケで別れ、雨の日に再会した二人。雨が降ると関係性が変わる、キーアイテムとして使われています。
お互い「嫌われているだろうな」と気まずくなっていたけれど、実は一途に想いあっていた両片思い。このもどかしい感じが堪りません。大人になっても忘れられず、大人になったからこそ結ばれた尊いカップル。
ワンコ系好青年 × 傷心の画家←執着する変態画家
宮野川ゆきたろ『穢れたキャンバスに降る雨は』
美大時代の元カレに全てを捧げ、身も心もぼろぼろになってしまった過去を持つ渉。
数年が経ち、画家として生活しつつもここ最近はスランプに陥ってしまっていた。
そんな時に出会ったのが大学生の好青年・蘭城だった。
真っ直ぐな笑顔に惹かれときめく渉だったが、元カレに快楽を教え込まれた身体はすぐに蘭城に欲情してしまう。
そして、とあるきっかけで身体の関係に進んでしまった二人。
身体を重ねる度に蘭城への想いを募らせる渉だったが、そんな時に元カレ・ルイが現れて━━!?
雨宿りしたカフェから始まるストーリー。元カレとの三角関係に悩まされながら、固い絆で結ばれてゆくメインCPにグッとくる!
カバーイラストからも見て分かるように、チンより乳首派の人にオススメです。シャワーシーンなどでもぷっくり。真面目そうに見えてスケベな子なのも良き。
押し強めな天然男子 × ネガティブピュアボーイ
らくたしょうこ『雨上がりの僕らについて』
いつか雨が上がるように、僕らはゆっくり恋していく――。
東京で暮らす社会人の奏(かなで)は、ゲイであることを隠し、もう恋はしないと心に決めていた。そんなある日、奏の前に、高校時代の親友であり、かつて「特別」な想いを寄せていた相手でもある真城(ましろ)が現れる。
6年ぶりの再会。動揺する奏に対し、真城は信じられない言葉を口にする。
雨と心象が重なり合っている作品です。後ろめたいことや悲しいこと、切望するものがあるとき、雨が降っています。雲が厚く、どんよりとした雨の日にピッタリな一冊。
本編全2巻、番外編の続編1巻の全3巻です。Twitter発で、BLコミックのレーベルではないところから出ているので、いちゃエロラブというよりヒューマンドラマが濃厚なしっとり系の漫画。
雨の日にオススメなBLマンガ5選 まとめ
雨の日に読むと、さらに魅力的になるBL漫画を5つ紹介してきました。
休日や眠れない夜に雨が降ったときは、ぜひ読んでみてくださいね。
児島かつら
『とめどなく、シュガー』
就活の内定報告になじみの店へ顔を出した帰り道男同士の痴話喧嘩に遭遇した敬太。
スルーしようと思いつつも助けに入ると、絡まれていたのは苦手な大学の同級生・理一だった。
強気な言葉に反し震える様子に自宅に連れ帰ることに。お互いの悩みや失恋話、ゲイであることをぶちまけ合う中’励まし合い’としてセックスをする敬太と理一。
帰り際、次に会うのは卒業式かと話すついでのように理一から好きだったことを伝えられる。理一のことが頭から離れないまま、大学最後の日を迎え、敬太から逃げるように立ち去ろうとする理一を捕まえるが告げられたのは改めての告白と決別の言葉で――?
本ページの情報は2022年 6月時点のものです。
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